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文献詳細

雑誌文献

臨床外科74巻11号

2019年10月発行

増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル

Ⅲ章 術式別の術前・術中・術後管理 食道

食道裂孔ヘルニア(GERDを含む)

著者: 秋元俊亮1 矢野文章1 三森教雄1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院外科学講座上部消化管外科

ページ範囲:P.112 - P.114

文献概要

 食道裂孔ヘルニア(胃食道逆流症:GERDを含む)は,上部消化管内視鏡検査数の増加や高齢化などによって,軽症例を含めると比較的頻繁に診断されるようになった.また,内視鏡外科手術に関するアンケート調査によると,胃食道逆流症手術は本邦で2010年に167件,2015年に286件,2017年に358件と年々増加している1)
 教室では,食道裂孔ヘルニアに対して腹腔鏡アプローチにて胃の腹腔内への還納,裂孔縫縮,逆流防止処置としてToupet噴門形成術を基本術式としている.噴門形成術にはNissen法もあるが,術後つかえ感の発現率がToupet法より有意に高いと報告されている2).①3 cm以上の滑脱型ヘルニア,傍食道型もしくは混合型ヘルニア,②75歳以上,③BMI 28 kg/m2以上の症例に対してメッシュ補強を追加している.さらに,混合型もしくは傍食道型ヘルニア症例には胃壁と腹壁の固定を3〜4針行っている.

参考文献

1)内視鏡外科手術に関するアンケート調査—第14回集計結果報告.日鏡外会誌23:727-890,2018
2)Hoshino M, et al:Comparison of laparoscopic Nissen and Toupet fundoplication using a propensity score matching analysis. Surg Today 47:1195-1200, 2017
3)Weijenborg PW, et al:Accuracy of hiatal hernia detection with esophageal high-resolution manometry. Neurogastroenterol Motil 27:293-299, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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