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増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル Ⅲ章 術式別の術前・術中・術後管理 肝
通常肝切除
著者: 佐野圭二1
所属機関: 1帝京大学医学部外科学講座
ページ範囲:P.155 - P.157
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周術期管理において,肝切除がほかの手術と大きく異なるポイントは,致命的合併症である肝不全のリスクをいかに回避するか,という点である.肝切除の主な適応疾患のうち,肝細胞癌は背景肝がウイルス性肝障害やアルコール性肝障害など障害肝であることが多く,また転移性肝腫瘍においても術前化学療法による薬剤性肝障害の合併や多発症例に対する広範囲肝切除などにより,肝切除術後肝不全は約2%でみられている1).よって,術前から術後肝不全を回避するための管理を十分に行う必要がある.
周術期管理において,肝切除がほかの手術と大きく異なるポイントは,致命的合併症である肝不全のリスクをいかに回避するか,という点である.肝切除の主な適応疾患のうち,肝細胞癌は背景肝がウイルス性肝障害やアルコール性肝障害など障害肝であることが多く,また転移性肝腫瘍においても術前化学療法による薬剤性肝障害の合併や多発症例に対する広範囲肝切除などにより,肝切除術後肝不全は約2%でみられている1).よって,術前から術後肝不全を回避するための管理を十分に行う必要がある.
参考文献
1)Miura F, et al:Validation of the board certification system for expert surgeons(hepato-biliary-pancreatic field)using the data of the National Clinical Database of Japan:part 1-Hepatectomy of more than one segment. J Hepatobiliary Pancreat Sci 23:313-323, 2016
2)Kyokane T, et al:Ethanol ablation for segmental bile duct leakage after hepato-biliary resection. Surgery 131:111-113, 2002
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