icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科74巻11号

2019年10月発行

文献概要

増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル Ⅳ章 術後合併症とその管理 A 重点術後合併症の管理ポイント

縫合不全(食道癌)

著者: 八木浩一1 瀬戸泰之1

所属機関: 1東京大学大学院消化管外科学

ページ範囲:P.220 - P.224

文献購入ページに移動
症状(発症時期・発見の契機)
 通常,術後1週間以内に発症する.頸部吻合の場合,頸部の発赤,ドレーンから唾液混じりの排液があり,胸腔内吻合の場合,胸腔ドレーンからの唾液,胃液,胆汁混じりの排液を認める.炎症反応高値,発熱,頻脈,呼吸数増加となることが多い.特に胸腔内吻合では,急速にバイタルサインが悪化し,縫合不全の確定診断の前に気管内挿管,人工呼吸器管理,集中治療管理が必要となることもある.明らかな臨床症状がなくとも炎症反応高値や発熱を認め,その熱源検索のCT検査が発見の契機となることがある.遅発性縫合不全の報告もある.

参考文献

1)李 栄柱,他:食道癌術後合併症の治療.外科76:32-37,2014
2)Messager M, et al:Recent improvement in the management of esophageal anastomotic leak after surgery for cancer. Eur J Surg Oncol 43:258-269, 2017
3)竹村雅至,他:食道手術—合併症対処の各施設の工夫—再建臓器壊死a)食道癌術後の胃管壊死に対する対応—内視鏡的診断・治療—.手術69:1073-1076,2015
4)岸田 哲,他:食道手術—合併症対処の各施設の工夫—再建臓器壊死b)当科における再建胃管壊死を回避する工夫・発生時の対応.手術69:1077-1083,2015
5)森田洋平,他:食道手術—合併症対処の各施設の工夫—再建臓器壊死c)我々の経験とリカバリーショット.手術69:1085-1090,2015
6)寺島秀夫,他:食道手術—合併症対処の各施設の工夫—総説:周術期栄養管理のパラダイムシフト 各論:縫合不全の創傷治癒を促進する代謝栄養管理の工夫.手術69:953-972,2015
)の有用性の検討.日静脈経腸栄会雑32:938-987,2017
8)松井亮太,他:食道癌術後の縫合不全に対しカバー付き食道ステント留置が有用であった2例.Gastroenterol Endosc 60:138-144,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?