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文献詳細

雑誌文献

臨床外科74巻11号

2019年10月発行

文献概要

増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル Ⅳ章 術後合併症とその管理 B 系統別術後合併症の管理ポイント 血液凝固系

門脈血栓症

著者: 長尾吉泰1 原田昇1 吉屋匠平1 武石一樹1 戸島剛男1 伊藤心二1 池上徹1 吉住朋晴1 森正樹1

所属機関: 1九州大学大学院消化器総合外科

ページ範囲:P.324 - P.328

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 周術期における門脈血栓症は,腸管うっ血・難治性腹水・肝機能障害などの原因となり,周術期管理において不利益となる.急速に門脈血流が障害されると,肝不全・播種性血管内凝固症候群といった重篤な病態に陥ってしまうため,早期発見・早期治療が不可欠である.また慢性期に移行し,血栓が器質化すると,門脈圧亢進症を発症し,食道および胃静脈瘤を発生させ,静脈瘤出血を引き起こす.
 診断は非侵襲的で感度も高い超音波検査を中心に,採血およびCT/MRIも併用して総合的に行う.治療としては,抗凝固療法が中心となるが,時には血管内治療や外科的治療も選択肢となる.依然確立された治療方針はないが,本稿ではこれまでの報告に基づき,門脈血栓症について概説したい.

参考文献

1)Intagliata NM, et al:Diagnosis, development, and treatment of portal vein thrombosis in patients with and without cirrhosis. Gastroenterology 156:1582-1599, 2019
2)Yerdel MA, et al:Portal vein thrombosis in adults undergoing liver transplantation:risk factors, screening, management, and outcome. Transplantation 69:1873-1881, 2000
3)Yoshiya S, et al:Portal vein thrombosis after hepatectomy. World J Surg 38:1491-1497, 2014
4)Kawanaka H, et al:Optimizing risk stratification in portal vein thrombosis after splenectomy and its primary prophylaxis with antithrombin Ⅲ concentrates and danaparoid sodium in liver cirrhosis with portal hypertension. J Am Coll Surg 219:865-874, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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