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特集 特殊な鼠径部ヘルニアに対する治療戦略
再発鼠径部ヘルニアに対する腹腔鏡下修復術
著者: 湯浅康弘1 福田美月1 牧秀則1 藤本啓介1 竹内大平1 常城宇生1 松尾祐太1 森理1 江藤祥平1 藤原聡史1 富林敦司1 石倉久嗣1
所属機関: 1徳島赤十字病院外科
ページ範囲:P.1331 - P.1340
文献購入ページに移動◆再発鼠径ヘルニアは何らかの形で腹壁構造が通常解剖とは異なっており,特に既往手術が腹膜前修復術であった場合,腹腔鏡操作に際して既存のメッシュによる膀胱や脈管への癒着,偏位に留意する必要がある.
◆可能な限り初回手術と同様の剝離を心がけ,MPOの完全修復を行うべくメッシュを留置する.このため除去しうるメッシュは原則除去するが,膀胱,脈管,神経周囲など除去すると危険な場合や,鼠径床の補強に役立っている場合,新たなメッシュの展開に支障がない場合は留置したままとする.
◆再発鼠径部ヘルニアに対する腹腔鏡手術の術者は解剖を熟知していること,日常的に腹腔鏡下修復術を行っており十分な経験を有することはもとより,入念な準備を怠らず,絶対に再発させない,安全で確実な手術を完遂するという,強いメンタリティを有する外科医が行うべきである.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2022年11月末まで)。
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