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文献詳細

雑誌文献

臨床外科74巻12号

2019年11月発行

特集 特殊な鼠径部ヘルニアに対する治療戦略

膀胱ヘルニアに対する治療

著者: 松村勝1 児玉麻亜子1 下河辺久陽1 田代恵太1 西村太郎1 竹谷園生1 吉本裕紀1 林享治1 和田義人1 谷脇智1 明石英俊1 宗宏伸1 今村鉄男1

所属機関: 1戸畑共立病院外科

ページ範囲:P.1362 - P.1366

文献概要

【ポイント】
◆膀胱ヘルニアは膀胱壁の一部分,もしくはすべてが脱出する病態で,成人鼠径ヘルニアの1〜4%と報告されている.
◆鼠径ヘルニア同様の症状に加え,頻尿・夜間尿・二段性排尿・血尿・排尿障害など,泌尿器系症状を有する場合は膀胱ヘルニアを疑う必要がある.
◆術前画像検査により膀胱ヘルニアと診断することで,術中膀胱損傷を回避できるが,外鼠径ヘルニア/内鼠径ヘルニアともに膀胱滑脱の可能性があることを念頭に置き手術を行うことで膀胱損傷を回避しうる.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2022年11月末まで)。

参考文献

1)Thompson JE, Taylor JB, Nazarian N, et al:Massive inguinal scrotal bladder hernias:a review of the literature with 2 new cases. J Urol 136:1299-1301, 1986
2)仲辻直之,八倉一晃,越智祥隆:術前CTにて診断しえた膀胱ヘルニアの3例.J Nara Med Ass 67:73-77,2016
3)高垣敬一,村橋邦康,己野 綾,他:陰囊まで達する鼠径部膀胱ヘルニアの1例.日臨外会誌70:3184-3188,2009
4)亀井奈津子,小泉 哲,朝野隆之,他:鼠径部ヘルニアにおける鼠径部除圧下腹臥位CT撮影法(ヘルニアスタディ)の有用性に関する検討.聖マリアンナ医大誌38:213-219,2011
5)西條文人,徳村弘実:膨潤麻酔を併用したTAPP法により修復しえたindirect膀胱ヘルニアの1例.日外科系連会誌37:1226-1230,2012
6)徳村弘実,野村良平,西條文人,他:膨潤麻酔併用による腹腔鏡下経腹的腹膜前鼠径ヘルニア修復術.日臨外会誌72:2204-220,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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