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臨床報告
十二指腸転移をきたしたALK遺伝子陽性肺腺癌の1例
著者: 久保秀文1 平木桜夫1 福田進太郎1 得能和久2 河岡徹2 為佐卓夫2
所属機関: 1宇部興産中央病院外科 2独立行政法人地域医療機能推進機構 徳山中央病院外科
ページ範囲:P.1503 - P.1507
文献購入ページに移動症例は70歳,女性.胸部X線で左肺門部腫瘤を指摘され,PETで左肺門部・全身リンパ節・骨への異常集積が認められた.気管支生検でALK遺伝子陽性の腺癌と診断され,上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部に腫瘍が認められ,同部の生検では肺癌転移が疑われた.アレクチニブの内服が開始され7か月後のPETでは,十二指腸を除くほとんどの異常集積は消失した.内視鏡検査で腫瘍の再増大を認め,腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行した.病理組織学的検査で腫瘍細胞は固有筋層へ及び局所のリンパ節転移が認められ,免疫染色でも肺癌の転移を裏付ける結果であった.現在も再発なく健在であり,アレクチニブ内服を継続中である.
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