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臨床報告
乳癌のセンチネルリンパ節に悪性リンパ腫を認めた1例
著者: 秋田由美子1 赤羽和久1 坂本英至1 法水信治1 新宮優二1
所属機関: 1名古屋第二赤十字病院一般外科
ページ範囲:P.1137 - P.1142
文献購入ページに移動症例は32歳女性,右乳房腫瘤を自覚し受診した.右乳腺D領域に2 cm大の腫瘤を触知し,腋窩に母指頭大に腫大したリンパ節を触知した.CTでは両側腋窩に長径約2 cm大に腫大した扁平なリンパ節を認めた.乳腺腫瘤針生検からpapillotubular carcinomaの診断を得たが,右腋窩リンパ節の穿刺吸引細胞診では悪性所見を認めなかったため,乳房切除+センチネルリンパ節生検の方針とした.手術時のセンチネルリンパ節生検で悪性リンパ腫の診断に至った.術後悪性リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma, not otherwise specified:PTCL-NOS)に対する化学療法を行った.乳癌と悪性リンパ腫の同時発症は稀であり,またセンチネルリンパ節から悪性リンパ腫の診断に至った例は報告がない.本症例に関して文献的考察を加えて報告する.
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