文献詳細
文献概要
増刊号 早わかり縫合・吻合のすべて 1章 縫合・吻合法の基本
埋没縫合の方法とポイント
著者: 山田潔1
所属機関: 1岡山大学形成再建外科・臨床リンパ学講座
ページ範囲:P.32 - P.36
文献購入ページに移動埋没縫合—きれいな傷跡のために必須のテクニック
きれいな術創は患者のQOL向上に直接寄与する.真皮網状層は皮膚・皮下組織の中でも深筋膜と同等に強靱な組織なので,この層を埋没縫合により固定することは,創の離開を防ぎ,きれいな術創を作るのに必須のテクニックである.
埋没縫合の究極の目的は,表皮縫合をしなくてもよいという状態に持っていくこと.そして,その状態を縫合部が安定するまで維持することである.表皮縫合をしなくてもよいという状態は極論ではあるが,表皮に糸をかけることによる挫滅や阻血,縫合糸痕(suture mark)を防ぐことができるので創をきれいに治すためには合目的的である.また表皮縫合が必要となったとしても,埋没縫合をしていれば術後4〜5日で表皮縫合を抜糸することが可能なので,縫合糸痕を残さず治癒させることができる.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2025年10月末まで)。
きれいな術創は患者のQOL向上に直接寄与する.真皮網状層は皮膚・皮下組織の中でも深筋膜と同等に強靱な組織なので,この層を埋没縫合により固定することは,創の離開を防ぎ,きれいな術創を作るのに必須のテクニックである.
埋没縫合の究極の目的は,表皮縫合をしなくてもよいという状態に持っていくこと.そして,その状態を縫合部が安定するまで維持することである.表皮縫合をしなくてもよいという状態は極論ではあるが,表皮に糸をかけることによる挫滅や阻血,縫合糸痕(suture mark)を防ぐことができるので創をきれいに治すためには合目的的である.また表皮縫合が必要となったとしても,埋没縫合をしていれば術後4〜5日で表皮縫合を抜糸することが可能なので,縫合糸痕を残さず治癒させることができる.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2025年10月末まで)。
参考文献
1)山田潔:皮膚縫合法.新OS now No. 25基本整形外科手技.メジカルビュー,2005,pp 181-187
2)山田潔:腹壁創の縫合と管理-整容的な腹壁の縫合法- 糸の選択,手技,抜糸後のケア,超肥満患者の対応など.産婦人科手術19:131-140,2008
3)Matsumoto H:Plotting dermal sutures:an easy dermal suture technique. Plast Reconstr Surg Glob Open 2:e108, 2014
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