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文献詳細

雑誌文献

臨床外科75巻11号

2020年10月発行

増刊号 早わかり縫合・吻合のすべて

4章 術式別の縫合・吻合法 食道

食道-回結腸吻合

著者: 峯真司1 橋本貴史1 橋口忠典1 那須元美1 國安哲史1 吉野耕平1 朝倉孝延1 菅原友樹1 鶴丸昌彦1 梶山美明1

所属機関: 1順天堂大学医学部上部消化管外科学講座

ページ範囲:P.121 - P.123

文献概要

 食道切除時には再建臓器として胃管を用いることが一般的である.胃が使用できない場合には,例えば同時胃癌合併例,胃側に広範囲に浸潤した食道胃接合部癌,また胃切除後食道癌の再建などでは,再建臓器として結腸または小腸が用いられることが多い.どちらを選択するかは施設や術者の慣れや好みで選択されている.結腸の場合には,技術的には回結腸,右側結腸,横行結腸,左結腸まで使用できるが,近年は回結腸を使用する施設が多い.再建ルートしては,本邦では胸壁前または胸骨後ルートが選択される場合がほとんどであり,後縦隔ルートは少ない.一方,欧米では後縦隔ルートが一般的である.血管吻合を付加する施設も多く,この場合には内胸動静脈を利用できる胸壁前ルートが選択されることが多い.逆に,基本的には血管吻合は必要ないという報告もある1)
 食道-回結腸吻合の特徴として,食道-胃管吻合に比べると縫合不全が少ないことが挙げられる2).また,吻合部狭窄も少ない.一方で,壊死に関しては頻度は少ないものの認められる.術後の下痢や腸閉塞に関しては胃管再建よりも頻度が高いとされている.

参考文献

1)Mine S, et al:Colon interposition after esophagectomy with extended lymphadenectomy for esophageal cancer. Ann Thorac Surg 88:1647-1653, 2009
2)上野正紀,他:食道回結腸吻合,食道結腸吻合.臨外75:169-173,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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