臨床外科75巻12号

2020年11月発行

特集 消化器外科手術 助手の極意—開腹からロボット手術まで

上部消化管領域

開胸開腹食道切除術における助手の極意

著者： 上野正紀¹ 春田周宇介¹ 大倉遊¹ 水野文¹ 浦辺雅之¹ 矢後彰一¹ 下山勇人¹ 小川雄介¹ 宇田川晴司¹

所属機関： ¹虎の門病院消化器外科

ページ範囲：P.1266 - P.1274

文献概要

【ポイント】
◆開胸食道切除は術野が深く，重要臓器に囲まれており，温存すべき血管や神経がある．鏡視下手術以上に助手の技量に左右される手術である．
◆“場”を作ること；操作部位を左右の手，鉗子，鉤を駆使して3次元に展開する．
◆カウンタートラクション；術者と反対方向の牽引を行うことで“場”を維持，展開する．結紮においてもカウンタートラクションの基本に従う．

参考文献

1）秋山洋：手術基本手技，医学書院，1975，pp 4-8

2）鶴丸昌彦：胸部食道癌手術．消化器外科31：1731-1741，2008

3）宇田川晴司，上野正紀，木ノ下義弘，他：開胸手術と胸腔鏡手術—食道癌根治術精緻化にむけて．手術63：1883-1887，2009

4）Shinohara H：Illustrated Abdominal Surgery, Springer Nature Singapore, 2020, p 161

5）上野正紀，宇田川晴司：胸部食道癌．日本臨床76：230-236，2018