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文献詳細

雑誌文献

臨床外科75巻12号

2020年11月発行

特集 消化器外科手術 助手の極意—開腹からロボット手術まで

上部消化管領域

胸腔鏡下食道切除術における助手の極意

著者: 川久保博文1 松田諭1 真柳修平1 入野誠之1 北川雄光1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部一般・消化器外科

ページ範囲:P.1276 - P.1282

文献概要

【ポイント】
◆胸腔鏡下食道切除術において重要なのは,手術,助手,スコピストの共通した認識であり,そのために各施設における手技の標準化が必要である.
◆助手は適度なテンションでカウンタートラクションをかける.常に術野をdryに保つことが重要であり,術野展開をしながら,出血を適宜吸引する.
◆No. 106recRの郭清では,助手は吸引管や鉗子で右鎖骨下動脈を圧排して視野展開をし,術者がエネルギーデバイスを使用する際には,反回神経に熱が伝わらないように,神経を守る役割をする.
◆No. 106recLの郭清では,助手の展開が特に重要である.吸引管で気管膜様部右縁と右気管支を腹側に押すことで気管を転がし,左反回神経リンパ節の腹側,気管左壁腹側の視野を展開する.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2023年11月末まで)。

参考文献

1)Cuschieri A:Endoscopic subtotal oesophagectomy for cancer using the right thoracoscopic approach. Surg Oncol 2 Suppl 1:3-11, 1993
2)Akaishi T, Kaneda I, Higuchi N, et al:Thoracoscopic en bloc total esophagectomy with radical mediastinal lymphadenectomy. J Thoracic Cardiovasc Surg 112:1533-1541, 1996
3)大杉治司,竹村雅至,李栄柱,他:胸腔鏡下食道癌根治術.消化器外科29:131-141,2006
4)能城浩和,岩崎寛智,中村勝也,他:胸部食道癌に対する腹臥位鏡視下食道切除術.外科治療100:474-481,2009
5)川久保博文,竹内裕也,才川義朗,他:胸腔鏡補助下胸部食道全摘術.手術66:1309-1314,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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