文献詳細
特集 膵頭十二指腸切除の完全ガイド—定型術式から困難症例への対処法まで
困難症例に対する手技・対処法
膵炎,被包化膵壊死(WON)の既往のある症例に対するPD
著者: 山田大作1 小林省吾1 岩上佳史1 富丸慶人1 秋田裕史1 野田剛広1 後藤邦仁1 土岐祐一郎1 江口英利1
所属機関: 1大阪大学大学院消化器外科学
ページ範囲:P.1447 - P.1451
文献概要
◆ERCP後膵炎や腫瘍による閉塞性膵炎を合併した後,膵頭十二指腸切除術を施行する症例をしばしば経験する.
◆重症急性膵炎を合併した症例では,膵臓周囲に強い癒着を伴って手術が非常に困難となるため,より慎重な手術操作が必要であり,腫瘍状況が許すのであれば3か月以上の待機期間をおき,炎症の収束を待って手術を行うことが推奨される.
◆手術時には,上腸間膜動脈・総肝動脈を術早期に遊離させて手中に収めることが可能な状態としたうえで,最も癒着の強い部位を最終剝離点とし,この周囲を剝離していくことで,安全に慎重に手術を進めることが肝要である.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2023年12月末まで)。
参考文献
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