文献詳細
書評
—花田敬士,植木敏晴,他(編著)—画像所見のよみ方と鑑別診断—胆・膵 第2版 フリーアクセス
著者: 入澤篤志1
所属機関: 1獨協医科大学・内科学(消化器)
ページ範囲:P.375 - P.375
文献概要
しかしながら,EUS-FNAといえど万能ではありません.例えば,当初は悪性を疑いながらもEUS-FNA結果が非悪性であった場合には偽陰性の可能性も考慮しなくてはならず,経過観察するか,もしくは再度のEUS-FNAを施行するかといった判断には,画像診断が極めて重要な役割を果たします.私はEUS-FNAを行えば行うほど,画像診断がいかに重要であるかを幾度となく認識させられてきました.また,治療方針決定に際しては,その病態の良悪性を診断するだけでなく,悪性であればその進展範囲を正確につかむ必要がありますし,良性の場合はその原因についても深く考察しなくてはなりません.また,胆道病変や膵囊胞性病変に対するEUS-FNAの適応はかなり限られています.さらには,ドレナージなどのEUS下治療に関しても,画像からその適応をしっかりと考慮する必要があります.
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