臨床外科76巻1号

2021年01月発行

特集 徹底解説　術後後遺症をいかに防ぐか—コツとポイント 直腸癌

便失禁—肛門機能を配慮したISRの際の骨盤内操作から経肛門吻合までのコツ

著者： 吉田武史¹ 藤田文彦¹ 下村晋¹ 藤吉健司¹ 大地貴史¹ 合志健一¹ 弓削浩太郎¹ 溝部智亮¹ 主藤朝也¹ 赤木由人¹

所属機関： ¹久留米大学医学部外科学講座

ページ範囲：P.47 - P.55

【ポイント】
◆便失禁の評価（主観的評価，客観的評価）の種類および意味を理解する．
◆直腸癌術後の肛門機能の経過を理解し，術式の選択を行う．
◆骨盤内操作，経肛門操作における解剖を理解し，正しい操作，丁寧な操作を心掛ける．
＊本論文中、［▶動画］マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます（公開期間：2024年1月末まで）。

参考文献

1）日本大腸肛門病学会（編）；便失禁治療ガイドライン2017年版．南江堂，2017

2）吉田佳代，中島みどり，尾島優子，他：便失禁患者における肛門機能評価検査．医学検査65：373-380，2016

3）赤木由人，藤田文彦：肛門機能温存をめざした括約筋間直切除術（ISR），経肛門吻合のコツ．外科81：494-499，2019

4）赤木由人，藤田文彦，溝部智亮，他：括約筋間直腸切除術．消外41：1361-1374，2018

5）船橋公彦，板橋道朗，赤木由人，他：全国アンケート調査からみた下部直腸がんに対する括約筋間切除術の術後排便障害の発生の現状と問題点．日消外会誌52：551-563，2019

6）下村　晋，赤木由人，弓削浩太郎，他：Ⅱ．括約筋間直腸切除術（Intersphincteric resection）後の排便障害．日本大腸肛門病会誌69：499-506，2016

7）山田一隆，緒方俊二，佐伯泰愼，他：Ⅳ．下部直腸・肛門管癌に対する括約筋間直腸切除術（ISR）の術後排便機能障害．日本大腸肛門病会誌69：513-520，2016

8）Shirouzu K, Murakami N, Akagi Y：Intersphincteric resection for very low rectal cancer：a review of the updated literature. Ann Gastroentetol Surg 25：24-32, 2017

9）Akagi Y, Kinugasa T, Shirouzu K：Intersphincteric resection for very low rectal cancer：asystematic review. Surg Today 43：838-847, 2013