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4.大腸
結腸癌—腹腔鏡下結腸右半切除術—体腔内吻合も含めて
著者: 櫻井翼1 山口智弘1 野村亮介1 向井俊貴1 日吉幸晴1 長嵜寿矢1 秋吉高志1 福長洋介1
所属機関: 1がん研究会有明病院消化器センター大腸外科
ページ範囲:P.86 - P.92
文献概要
腹腔鏡下結腸右半切除術では,腸管の切離と吻合は臍を中心とした小切開をおき体腔外で行われるのが一般的である.一方,腸管の授動範囲や腹壁瘢痕ヘルニアの減少などの利点を有する体腔内吻合の有用性が報告されるようになり1),当院では2019年より結腸癌に対する体腔内吻合を導入した.腹腔内での腸管開放による汚染や播種の危険性を考慮し,術前腸閉塞症例は適応外としている.
体腔内吻合を行う場合は,カメラポートは臍とし,左右下腹部,左上腹部に5 mmポート,左側腹部に12 mmポートを留置する.内側授動の際は,術者が左尾側,助手が左頭側に立つ(図1a).surgical trunkの郭清および外側授動の際は,術者が脚間,助手が左頭側に立つ(図1b).腸管の切離・吻合の際は,術者が左頭側,助手が脚間に立ち,Pfannenstiel incisionから標本を摘出する(図1c).スコピストは常に左側に立つ.一方,体腔外吻合の場合は,左上腹部のポートは,臍よりやや頭側に留置し,小開腹するときにそのポートと臍ポートをつなげるようにする.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年10月末まで)。
参考文献
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