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増刊号 Stepごとに要点解説 標準術式アトラス最新版—特別付録Web動画 4.大腸
直腸癌—腹会陰式直腸切断術—特に会陰操作について
著者: 小森康司1 木下敬史1 佐藤雄介1 大内晶1 伊藤誠二1 安部哲也1 三澤一成1 伊藤友一1 夏目誠治1 檜垣栄治1 奥野正隆1 藤枝裕倫1 川勝章司1 國友愛奈1 沖哲1 末永泰人1 前田真吾1 長尾拓哉1 有竹典1 多和田翔1 赤座賢1 清水泰博1
所属機関: 1愛知県がんセンター消化器外科部
ページ範囲:P.119 - P.126
文献購入ページに移動近年,肛門括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection:ISR)の普及に伴い,腹会陰式直腸切断術(abdominoperineal resection:APR)を経験することは,少なくなってきている.しかし,APRと比較したISRの短期成績,長期成績の質の高いエビデンスがないのが現状である以上,基本的にはAPRが標準術式である.さらに,ロボット手術,腹腔鏡下手術が普及するなかで,開腹手術のAPRはかなり少なくなっていると思われる.また,巨大な直腸癌に対しても術前(化学照射)療法を施行し,縮小してから手術に臨む施設が増えて,開腹APRを経験する機会がますます減少している.当院では,基本的には術前療法は行わない方針であり,しばしば巨大な直腸癌のAPRを経験する.その経験を踏まえ,当院での開腹APRの術式について報告する.
APRの手技を十分にマスターせずにISRに執着することはよくないと思われる.ISRを行うときは常に解剖学的にAPRとの違いをしっかり念頭に置きながら手術に臨むことが大事であり,その意味においても解剖をしっかり把握したAPRを習得することが大事である.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年10月末まで)。
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