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増刊号 Stepごとに要点解説 標準術式アトラス最新版—特別付録Web動画 5.肛門
痔核手術
著者: 張文誠1
所属機関: 1志木大腸肛門クリニック
ページ範囲:P.148 - P.152
文献購入ページに移動 痔核の手術治療は,根治性の高い「結紮切除術」(以下LE)のほかに,術後疼痛の少ない「ALTA療法」が代表的であるが,ALTA単独療法はその効果が限定的であり,すべての痔核症例に対応することはできない.ALTA単独療法では効果不十分となる外痔核部位をLEにより切除し,内痔核部にALTA注射を行う「ALTA併用療法」も合目的的であり,その有用性に疑問の余地がないところであるが,まずLEの手術手技を習得したうえで行うべき治療法であり,痔核の基本手術術式がLEである点に異論はないと考える.こうした点を踏まえ,本稿ではLEについて解説する.
LEにおける手術手技を要約すると,「適正な剝離層を保ちながら痔核組織を十分に剝離・郭清し,肛門上皮を極力温存することで,狭窄のない,柔らかい肛門とする」,そして「緩んだ肛門部の粘膜・上皮を根部方向に吊り上げ,切離縁となる粘膜・上皮が本来の生理的な位置にくるよう固定し,さらに過不足のないドレナージ創を作製することで,術後の腫脹やskin tagを作らないこと」であるといえる.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年10月末まで)。
LEにおける手術手技を要約すると,「適正な剝離層を保ちながら痔核組織を十分に剝離・郭清し,肛門上皮を極力温存することで,狭窄のない,柔らかい肛門とする」,そして「緩んだ肛門部の粘膜・上皮を根部方向に吊り上げ,切離縁となる粘膜・上皮が本来の生理的な位置にくるよう固定し,さらに過不足のないドレナージ創を作製することで,術後の腫脹やskin tagを作らないこと」であるといえる.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年10月末まで)。
参考文献
1)内田好司,栗原浩幸,金井忠男.肛門疾患—解剖から手術まで.南江堂,2014,pp 76-84
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