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文献詳細

雑誌文献

臨床外科76巻13号

2021年12月発行

臨床報告

小腸内に多量に残存した錠剤が誘因になったと考えられる胃全摘後腸閉塞の1例

著者: 山岸徳子1 中村威1 石井政嗣1 星川竜彦1 次田正1 仲丸誠1

所属機関: 1公立福生病院外科

ページ範囲:P.1563 - P.1566

文献概要

要旨
患者は71歳,女性.2週間続く嘔吐を主訴に当科受診.CTで小腸拡張と内容貯留に加え,小腸の閉塞起点に多量の錠剤が描出.胃全摘の既往あり,術後癒着性イレウスが疑われた.保存的治療で軽快せず,第14病日に小腸バイパス術施行.術後経過良好にて,第23病日に退院した.画像所見と手術所見から,Y脚吻合部口側10 cm部分に癒着による狭窄部があり,ここに錠剤が嵌頓してイレウスを起こしたと考えられた.摘出錠剤の形状と内服歴の聴取により,錠剤は正露丸®であることが判明.正露丸®が腸管内に残存した原因検索のため,日本薬局方崩壊試験法に則り,正露丸®溶解実験を行った.本症例の経過と実験結果に,文献的考察を含めて報告する.

参考文献

1)Menzies D, Ellis H:Intestinal obstruction from adhesions:how big is the problem? Ann R Coll Surg Engl 72:60-63, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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