icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

臨床外科76巻2号

2021年02月発行

雑誌目次

特集 外科医のための—悪性腫瘍補助療法のすべて

ページ範囲:P.133 - P.133

 悪性腫瘍に対する薬物治療の進歩は著しく,進行再発大腸癌においては従来9か月といわれた余命が2年半を越えるに至っている.しかし,進行再発固形悪性腫瘍に対する薬物療法はあくまで延命を狙ったものであり,より高い確率での治癒をめざす補助化学療法の重要性は少しも失われていない.術後補助化学療法においては,難攻不落とされていた膵癌や胆管癌においても有効な治療法が開発される一方,胃癌,大腸癌においては,より効果の高いレジメンの追求ばかりでなく,治療効果は同等でもQOLの優れた治療開発も行われている.一方,薬物療法単独,あるいは放射線と組み合わせた術前補助療法が確立している臓器も存在する.固形悪性腫瘍の補助療法は外科医が施行することが多く,最新の補助療法に関する知識は,臨床においても,また専門医試験等においても必須となっている.本特集では,悪性腫瘍の補助療法について,外科医が実施することを念頭に,各臓器の補助療法のエキスパートの方々に解説していただいた.

総論

薬物療法の施行前検査とリスクファクター

著者: 塩澤学

ページ範囲:P.134 - P.137

【ポイント】
補助療法を施行する前に行う検査のポイント:
◆骨髄抑制の副作用を考慮して骨髄機能評価(白血球,赤血球,ヘモグロビン,血小板の採血検査)の評価を行う.
◆癌薬物の代謝を考慮して肝・腎機能評価を行う.
◆B型肝炎ウイルス(HBV)のスクリーニングを行う.
◆補助療法の使用薬剤特有の毒性も考慮した心肺機能評価を行う.

副作用対策と支持療法

著者: 上今別府大作 ,   篠崎英司

ページ範囲:P.138 - P.143

【ポイント】
◆抗がん薬による薬物有害反応は,CTCAE ver. 5.0の毒性評価基準に準じて重症度の評価を行う.Grade 1〜5に分類される.
◆有害事象の重症度の評価を行い,Gradeに応じたマネジメントを検討する.
◆それぞれのレジメン・抗がん薬に応じた適切な支持療法が,治療成績の向上やQOLの向上につながる.

B型肝炎ウイルスの再活性化と対策

著者: 伏木邦博 ,   山﨑健太郎

ページ範囲:P.144 - P.148

【ポイント】
◆HBV再活性化のリスクを有する化学療法を行うすべての患者に,治療前にHBs抗原,HBc抗体およびHBs抗体検査でスクリーニングを行う.
◆HBs抗原陽性の非活動性キャリア,およびHBV-DNA量が20 IU/mL以上の既往感染者に化学療法を行う際は,速やかに核酸アナログの投与を開始する.
◆HBV既往感染者では化学療法中に1〜3か月ごとのHBV-DNAモニタリングを目安とし,治療内容を考慮し間隔および期間を検討する.

中心静脈ポートの留置と管理

著者: 村田慎一 ,   稲葉吉隆

ページ範囲:P.149 - P.153

【ポイント】
◆各アプローチルート(鎖骨下静脈,内頸静脈,上腕部静脈)とその特徴を理解する.
◆静脈にアクセスする際の画像ガイド(超音波,造影透視など)に習熟する.
◆中心静脈ポートの留置後のトラブル・不具合につき学び,適切に対応する.

各論

食道癌の術前補助療法

著者: 八木浩一 ,   佐藤靖祥 ,   李基成 ,   谷島翔 ,   奥村康弘 ,   平野康介 ,   若松高太郎 ,   愛甲丞 ,   山下裕玄 ,   野村幸世 ,   瀬戸泰之

ページ範囲:P.154 - P.159

【ポイント】
◆日本におけるcStage Ⅱ/Ⅲ食道癌に対する標準治療は術前CF療法+手術である.
◆JCOG1109試験(術前CF療法 vs 術前DCF療法 vs 術前CF/41.4Gy療法の3群間比較試験)の結果で標準治療が変わる可能性がある.
◆遠隔転移のないcT4症例に対する導入療法+conversion手術は治療選択肢の一つである.

胃癌の術前補助化学療法

著者: 木村和恵 ,   沖英次 ,   森正樹

ページ範囲:P.160 - P.163

【ポイント】
◆胃癌診療ガイドライン第5版では,切除可能進行胃癌に対する術前補助化学療法は条件付きで推奨されている.
◆胃癌に対する術前補助化学療法において,確立されたレジメンはない.

胃癌の術後補助化学療法

著者: 藤谷和正 ,   本告正明 ,   宮崎安弘 ,   岩瀬和裕 ,   後藤満一

ページ範囲:P.164 - P.168

【ポイント】
◆胃癌の術後補助化学療法には,S-1療法,XELOX療法,DS療法,SOX療法がある.
◆病理学的stage Ⅲ胃癌に対する術後の標準補助化学療法は,S-1療法からDS療法へ変更となった.
◆病理学的stage Ⅱ胃癌に対する術後の標準補助化学療法は,S-1療法1年間もしくはXELOX療法半年間である.

結腸癌の術後補助化学療法:FOLFOXとCAPOX

著者: 中村真穂 ,   谷口浩也

ページ範囲:P.169 - P.175

【ポイント】
◆補助化学療法は再発抑制と治癒率の向上が目的であり,適切な治療を安全に完遂することが重要である.
◆Stage Ⅲ結腸癌に対する術後補助化学療法は種々の臨床試験を経て有用性が確立され,FOLFOX療法およびCAPOX療法は,標準治療としてガイドラインにも記載されている.
◆Stage Ⅱ結腸癌のなかに再発高リスク群を設定し,期待される効果と想定される副作用を十分説明したうえで術後補助化学療法を行うことが推奨されている.
◆IDEA試験の結果を踏まえて,再発リスクに応じた治療期間の個別化が重要視されている.

結腸癌の術後補助化学療法:経口フッ化ピリミジン単独療法

著者: 石川敏昭

ページ範囲:P.176 - P.184

【ポイント】
◆Stage Ⅲ結腸癌では,再発低リスク例に対して,患者に応じて経口FP単独療法を選択することは適切な治療の一つである.
◆Stage Ⅱ結腸癌では,再発高リスク例に対する術後補助化学療法が弱く推奨されており,患者負担の少ない経口FP単独療法は選択肢の一つとなる.
◆今後は,低リスクStage Ⅲ結腸癌と高リスクStage Ⅱ結腸癌における経口FP単独療法とCAPOX 3か月療法の使い分けが注目される.

直腸癌の術前術後補助療法

著者: 財津瑛子 ,   小西毅 ,   秋吉高志 ,   福長洋介

ページ範囲:P.185 - P.193

【ポイント】
◆下部直腸癌は再発率が高く,補助療法による局所再発および遠隔転移の制御は重要である.
◆術前(化学)放射線療法は局所再発を低減するが,遠隔転移の制御には寄与せず,術後補助化学療法のコンプライアンスが下がることが多い.
◆治癒切除可能な局所進行直腸癌の局所制御・予後改善を目的に,(化学)放射線療法と全身化学療法を術前にすべて投与するtotal neoadjuvant therapy(TNT)が注目を集めている.

大腸癌肝転移の術前術後補助療法

著者: 金光幸秀 ,   塚本俊輔 ,   森谷弘乃介 ,   高見澤康之

ページ範囲:P.194 - P.204

【ポイント】
◆大腸癌患者の約50%が経過中に肝転移を発症する.外科的切除が治癒と長期生存の可能性がある唯一の治療法であるが,5年生存率は約40%,10年生存率は約25%程度に留まっており,肝切除後の残肝再発と肺再発の制御が必要である.
◆現在のL-OHP含有補助化学療法レジメン(FOLFOX)の推奨は,肝切除周術期のFOLFOXは全生存期間(OS)には影響しないものの,無増悪生存期間(PFS)には効果がある可能性を示したEORTC 40983試験の結果の外挿に基づいている.
◆大腸癌肝転移切除後の補助化学療法として,mFOLFOX6を投与される患者と,手術のみの患者を比較したJCOG0603試験の結果,無病生存期間(DFS)はmFOLFOX6を投与した患者で改善したものの,OSの改善は認められず,FOLFOXによるGrade 3以上の好中球減少症が50%の患者に認められた.
◆癌の治療目標は,生存期間を延長させるかQOLを改善させるかである.大腸癌肝転移切除例に対する補助療法の至適投与法は確立しておらず,肝切除周術期の補助化学療法を正当化するエビデンスは依然としてないのが現状である.

膵癌の術前補助療法

著者: 川口桂 ,   水間正道 ,   海野倫明

ページ範囲:P.205 - P.209

【ポイント】
◆膵癌術前治療の意義:膵癌に対する術前治療の意義は,腫瘍縮小に伴うdown stageを期待するだけでなく,R0切除率の向上,不顕性病変の制御,生体での感受性試験など多岐にわたる.
◆切除可能性分類:切除可能性分類〔切除可能・切除境界・切除不能(局所進行)〕により症例ごとに使用されるレジメンや治療法は異なる.
◆ランダム化比較試験:現在行われているランダム化比較試験の結果により,最適なレジメンや治療期間に関するより強固なエビデンスの創出が期待される.

膵癌の術後補助療法

著者: 三浦文彦 ,   川村幸代 ,   松谷哲行 ,   谷口桂三 ,   山崎健司 ,   高島順平 ,   服部豊 ,   茂原富美 ,   伊東彩香 ,   山根聖弘 ,   小林宏寿

ページ範囲:P.210 - P.215

【ポイント】
◆本邦における膵癌術後補助療法の標準治療は,S-1療法である.
◆S-1に対する忍容性が低い患者などでは,GEM療法が推奨されている.
◆早期に投与を開始するよりも予定サイクルを完遂することが重要と考えられる.

胆道癌の術前術後補助療法

著者: 小林省吾 ,   後藤邦仁 ,   野田剛広 ,   秋田裕史 ,   富丸慶人 ,   山田大作 ,   岩上佳史 ,   土岐祐一郎 ,   江口英利

ページ範囲:P.216 - P.221

【ポイント】
◆胆道癌における切除術の治療成績には限界があり,集学的治療が期待されているが,術後補助療法,術前治療ともに未開発である.
◆術後補助療法は,カペシタビン(第Ⅲ相試験のper protocol setで生存を改善.本邦で胆道癌に適応なし)やS-1(現在第Ⅲ相試験実施中)に期待がもたれる.
◆胆道癌の遠隔・再発例に対する新しい治療の開発に伴い,術前治療開発が始まりつつあり,多施設共同研究の実施が待たれる.

消化管GISTの術前術後補助療法

著者: 山下晃平 ,   岩槻政晃 ,   古閑悠輝 ,   松本千尋 ,   森永剛司 ,   中村健一 ,   岩上志朗 ,   吉田直矢 ,   馬場秀夫

ページ範囲:P.222 - P.226

【ポイント】
◆拡大手術が必要あるいは手術リスクの高いGISTでは,術前補助療法により完全切除率の向上や手術の低侵襲化が期待できる.
◆高リスクまたは偽被膜損傷などを呈するclinically malignantのGISTでは,術後3年間のイマチニブ療法が強く推奨される.
◆術後補助療法の遵守率の向上とともに,適切な患者選択のためのバイオマーカーの開発がGISTの予後向上につながる.

乳癌の術前術後補助療法

著者: 山田美紀 ,   神野浩光

ページ範囲:P.227 - P.232

【ポイント】
◆乳癌の初期治療では臨床病理学的因子の情報をもとに,根治をめざして局所療法と全身療法を組み合わせた集学的治療を行う.
◆薬物療法として化学療法,内分泌療法,分子標的薬があり,サブタイプを考慮して治療を選択する.
◆手術を先行したとしても化学療法が必要と思われる症例では術前化学療法を行う.病理学的完全奏効(pCR)が予後因子となる場合がある.また,pCRを指標に術後治療を組み立てるレスポンスガイド治療について研究が行われている.

病院めぐり

大阪労災病院外科

著者: 長谷川順一

ページ範囲:P.233 - P.233

 大阪労災病院は,西に堺臨海工業地帯,東に生駒・金剛の連山を望んだ,大和川南方に位置する堺市にあります.このあたりは摂津,河内,和泉の三つの国境に発達した都市というところから「さかい」と呼ばれるようになったとのことです.堺には4〜5世紀の大和朝廷成立後,日本最大の大仙陵古墳(仁徳天皇陵古墳)をはじめ,100数基から成る百舌鳥(もず)古墳群が造られました.これら古墳群は2019年に大阪初の世界文化遺産に登録されております.大阪労災病院はこの大仙陵古墳の約1.5 km東に立地する病院です.開設は1962年4月で,大阪の工業地帯において多発する労働災害に対応するため,全国で27番目の労災病院として10診療科,512床でスタートしました.その後,地域の発展とともに施設・診療体制の拡充を行い,現在は29診療科,678床,医師数187名で運営しております.当院は,人口約84万人の堺市二次医療圏をカバーする地域中核病院で,2002年に地域がん診療連携拠点病院の指定を受け,2020年には高度型の承認を取得しています.また2011年には地域医療支援病院の承認を受けています.近隣施設の増改築が順次進むなか,当院は堺市二次医療圏で唯一残る超老朽化施設となっておりましたが,ようやく新病院建築が開始されました.当院の敷地は元陸軍練兵場の一部であったこともあり,新病院はゆったりとした敷地内に現病院に隣接した場所に建設中で,2022年1月にはオープンする予定となっています.
 外科の診療体制は,今年度念願の呼吸器外科を開設し,現在スタッフ15人,外科専攻医4人の総勢19人で呼吸器・消化器・乳腺領域の外科治療にあたっています.2019年の手術件数は消化器領域1,041例,乳腺領域161例でした.各疾患(呼吸器外科・上部消化管外科・下部消化管外科・肝胆膵外科・乳腺外科)担当部長を中心に,救急対応や集学的治療をチームとして実践できるよう,垣根のない横の繋がりを重視したグループの形成に努めています.他科・他職種とはキャンサーボード・内視鏡カンファ・肝胆膵カンファを毎週開催し連携を深めています.学術的には,近年各学会・研究会において英語で発表する機会が増えてきたこともあり,英語での抄読会を週1回行っています.オヤジ世代を中心にヘンテコな英語を使い,若い先生方を混乱させる討論になっているようですが,楽しい時間でもあります.

FOCUS

胃癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法の現状と展望

著者: 石神浩徳

ページ範囲:P.235 - P.238

はじめに
 胃癌において腹膜播種は頻度の高い転移であり,患者の予後を規定する重要な因子の一つである.腹膜播種陽性胃癌に対しては,ほかの遠隔転移を有する場合と同様に全身化学療法が標準治療とみなされているが,十分な治療効果は得られていない.われわれの研究グループでは,全身化学療法とタキサン系抗癌剤の腹腔内投与を併用する治療法の開発を行ってきた.これまでの臨床試験の成績と今後の展望について述べる.

坂の上のラパ肝・胆・膵・14

肝S8亜区域切除術

著者: 大目祐介 ,   本田五郎

ページ範囲:P.239 - P.248

Point
◆術前画像でG8の分岐形態を把握する.
◆Pringle手技用のターニケットを留置する以外には肝門に触れない.
◆肝離断時は第6および第8肋間のポートからデバイスを,右季肋下のポートからカメラを挿入する.
◆冠状間膜の一部のみを切離し,右葉の脱転は行わない.
◆頭側からMHVを露出しながらS8/S4境界(major hepatic fissure)を離断し,露出したMHVの右背側でG8を確保する.
◆S8/S5境界の離断と並行してS8背側境界(G8根部,肝上部下大静脈腹側面,RHV本幹を結ぶ面)を離断する.
◆RHVはS8を腹側に挙上しながら下大静脈(IVC)流入部から末梢側に向けて連続して露出する.
◆露出したRHVからS8/S7境界のdemarcation lineに向けてintersegmental planeを離断する.

臨床報告

結腸間膜に発生した仮性腸間膜囊胞の1例

著者: 須浪毅 ,   北山紀州 ,   中澤一憲 ,   坂下克也 ,   雪本清隆 ,   澤田隆吾

ページ範囲:P.249 - P.253

要旨
症例は40歳,女性.主訴は上腹部痛.腹部CTにて右上下腹部に15 cm大の多房性囊胞を認めた.囊胞の発生部位は腸間膜,右卵巣,膵臓などが疑われた.右卵巣由来の囊胞性病変の疑いにて開腹手術が施行されたが,両側に正常卵巣が確認された.囊胞は背側で膵頭部,上行結腸間膜に,頭側では胃幽門部から十二指腸球部に強く癒着しており,囊胞性腫瘍による浸潤も疑われたため結腸右半切除術および膵頭部分切除術を行い摘出した.病理検査にて囊胞は結腸腸間膜と連続しており,囊胞壁に被覆上皮を伴わないことから,結腸腸間膜より発生した仮性腸間膜囊胞と診断された.自験例を含む本邦報告例31例を集計し,文献的考察を加えて報告する.

腹腔鏡下胃切除術後難治性乳糜腹水に腹腔鏡下リンパ漏閉鎖術を施行した1例

著者: 古田隆一郎 ,   石橋雄次 ,   吉村俊太郎 ,   畑尾史彦 ,   森田泰弘 ,   今村和広

ページ範囲:P.254 - P.258

要旨
症例は76歳,女性.胃癌の診断で腹腔鏡下幽門側切除術,D1+リンパ節郭清を施行した.術後第4病日に乳糜腹水を発症し,絶食,高カロリー輸液による治療を開始した.その後も改善せず,脂質制限食,オクトレオチド,血液凝固第XIII因子の投与を行ったがいずれも無効であり,腹腔鏡下リンパ漏閉鎖術を施行した.術中に経鼻胃管より経管栄養剤を投与するとNo. 9リンパ節郭清断端からリンパ液の漏出を認めたため,腹腔鏡による拡大視効果を利用し漏出点を正確に同定,同部位を確実に結紮し閉鎖し得た.術後食事開始後も乳糜腹水の再発を認めず,再手術後第21病日に退院となった.

--------------------

目次

ページ範囲:P.130 - P.131

原稿募集 「臨床外科」交見室

ページ範囲:P.175 - P.175

バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.262 - P.262

あとがき

著者: 橋口陽二郎

ページ範囲:P.264 - P.264

 現在(2020年12月),新型コロナ感染症の第3波が世界を襲い,日本でも新規感染者数,死亡者数ともピークを記録しています.感染の蔓延は長期化し,経済に深刻な打撃を与え,自粛による感染のコントロールは限界を迎えつつあります.
 そのような中,唯一の希望の光がワクチンの開発です.中国やロシアの新型コロナウイルスワクチン開発において,第3相試験を省略して早期の承認が行われ,新興国に販売されていることは周知の事実です.インドネシアでは,国民から中国製ワクチンの接種に否定的な意見が相次ぎ,大統領が接種第1号となると声明を出す騒ぎとなっています.12月を迎えて,ついに英国,米国において第3相試験を経たワクチンの緊急使用が承認され,接種が始まりました.世界は固唾を飲んでその効果を見守っているところです.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

78巻13号(2023年12月発行)

特集 ハイボリュームセンターのオペ記事《消化管癌編》

78巻12号(2023年11月発行)

特集 胃癌に対するconversion surgery—Stage Ⅳでも治したい!

78巻11号(2023年10月発行)

増刊号 —消化器・一般外科—研修医・専攻医サバイバルブック—術者として経験すべき手技のすべて

78巻10号(2023年10月発行)

特集 肝胆膵外科 高度技能専門医をめざせ!

78巻9号(2023年9月発行)

特集 見てわかる! 下部消化管手術における最適な剝離層

78巻8号(2023年8月発行)

特集 ロボット手術新時代!—極めよう食道癌・胃癌・大腸癌手術

78巻7号(2023年7月発行)

特集 術後急変!—予知・早期発見のベストプラクティス

78巻6号(2023年6月発行)

特集 消化管手術での“困難例”対処法—こんなとき,どうする?

78巻5号(2023年5月発行)

特集 術後QOLを重視した胃癌手術と再建法

78巻4号(2023年4月発行)

総特集 腹壁ヘルニア修復術の新潮流—瘢痕ヘルニア・臍ヘルニア・白線ヘルニア

78巻3号(2023年3月発行)

特集 進化する肝臓外科—高難度腹腔鏡下手術からロボット支援下手術の導入まで

78巻2号(2023年2月発行)

特集 最新医療機器・材料を使いこなす

78巻1号(2023年1月発行)

特集 外科医が知っておくべき! 免疫チェックポイント阻害薬

icon up
あなたは医療従事者ですか?