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FOCUS
胃癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法の現状と展望
著者: 石神浩徳1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院外来化学療法部
ページ範囲:P.235 - P.238
文献購入ページに移動はじめに
胃癌において腹膜播種は頻度の高い転移であり,患者の予後を規定する重要な因子の一つである.腹膜播種陽性胃癌に対しては,ほかの遠隔転移を有する場合と同様に全身化学療法が標準治療とみなされているが,十分な治療効果は得られていない.われわれの研究グループでは,全身化学療法とタキサン系抗癌剤の腹腔内投与を併用する治療法の開発を行ってきた.これまでの臨床試験の成績と今後の展望について述べる.
胃癌において腹膜播種は頻度の高い転移であり,患者の予後を規定する重要な因子の一つである.腹膜播種陽性胃癌に対しては,ほかの遠隔転移を有する場合と同様に全身化学療法が標準治療とみなされているが,十分な治療効果は得られていない.われわれの研究グループでは,全身化学療法とタキサン系抗癌剤の腹腔内投与を併用する治療法の開発を行ってきた.これまでの臨床試験の成績と今後の展望について述べる.
参考文献
1)伏田幸夫,古居奈歩,木南伸一,他:胃癌腹膜播種に対するTaxane系抗癌剤(Paclitaxel)を用いた腹腔内化学療法の可能性.癌と化療29:2164-2167,2002
2)Ishigami H, Kitayama J, Otani K, et al:Phase Ⅰ pharmacokinetic study of weekly intravenous and intraperitoneal paclitaxel combined with S-1 for advanced gastric cancer. Oncology 76:311-314, 2009
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