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臨床報告
血管塞栓治療後に開腹手術を行った交通外傷による腹腔内出血の1例
著者: 西牧宏泰1 井上宰1 臼田昌広1 村上和重1 手島仁1 宮田剛1
所属機関: 1岩手県立中央病院消化器外科
ページ範囲:P.379 - P.383
文献購入ページに移動症例は49歳女性.交通外傷による出血性ショックで搬送された.来院時には血圧測定不能であったが輸液に反応するtransient-responderであったことから,開腹手術の準備を行いつつ損傷部位同定のために血管造影を行った.上腸間膜動脈末梢回腸枝分岐部にextravasationを確認,microcoilesを用いて塞栓を行った.塞栓術後,循環動態が安定したため全身麻酔下に開腹手術を施行した.術中にcoilesを確認することで速やかに出血部位を同定,開腹止血術および損傷部の切除を行った.術後経過は良好で第9病日に退院した.本例のように出血部位の予測が可能である腹腔内出血においては,血管塞栓術など補助治療を行うことで緊急開腹術へ安全かつ速やかに移行できる可能性が示唆された.
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