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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科76巻4号

2021年04月発行

雑誌目次

特集 肥満外科A to Z

ページ範囲:P.397 - P.397

 肥満症は糖尿病や高血圧,高脂血症といった代謝異常に加えて,心不全や冠動脈疾患,睡眠時無呼吸症候群,腎臓病,精神疾患を合併して臓器機能障害を引き起こす疾患です.肥満症は欧米では一般的な疾患で,手術治療も広く行われており,その有用性が確立されています.

総論

肥満症の病態と行動心理

著者: 齋木厚人

ページ範囲:P.399 - P.405

【ポイント】
◆BMI 35 kg/m2以上で肥満に起因ないし関連し減量を要する健康障害を伴う場合,高度肥満症と診断される.
◆減量・代謝改善手術は,肥満に関連するあらゆる健康障害を改善する可能性がある.
◆高度肥満症は心理社会面が関与する病気であり,リバウンドする病気である,という理解が必要である.

肥満症の診断と併存疾患

著者: 辻野元祥

ページ範囲:P.406 - P.410

【ポイント】
◆BMI 35以上は高度肥満と定義され,それに起因ないし関連する健康障害を有するものを高度肥満症と診断する.
◆高度肥満症で問題となる健康障害として,2型糖尿病,脂質異常症,高血圧症,さらにそれに起因する大血管障害,閉塞性睡眠時無呼吸症候群,肥満関連腎臓病,非アルコール性脂肪肝炎(NASH),心不全などがある.
◆減量・代謝改善手術の施行により,高度肥満症に伴う健康障害の多くは著明に改善し,なかでも2型糖尿病が劇的に改善するほか,生命予後も改善することが報告されている.

肥満症に対する内科的治療

著者: 尾上剛史 ,   有馬寛

ページ範囲:P.412 - P.416

【ポイント】
◆肥満症への内科的治療は,食事療法,運動療法,行動療法,薬物療法に大別される.
◆食事療法,運動療法,行動療法などの生活習慣改善療法は肥満症治療の基本であり,薬物療法や外科治療を受ける患者においても必須である.
◆生活習慣改善療法で十分な減量効果が得られないときは薬物療法や外科治療を考慮していく.

肥満症に対する外科的治療

著者: 春田英律 ,   笠間和典 ,   関洋介 ,   大竹玲子

ページ範囲:P.417 - P.422

【ポイント】
◆近年の世界的な肥満人口の増加により,高度肥満症に対する肥満外科手術の施行件数は年々増加している.
◆肥満外科手術は,糖尿病に対する血糖改善効果が高いことから,メタボリックサージェリーと呼ばれ,糖尿病治療を主たる目的として行われるようになっている.
◆患者の病態に応じた術式選択が重要となる.

各論

術中麻酔管理

著者: 上北郁男 ,   北浜誠一

ページ範囲:P.424 - P.427

【ポイント】
◆肥満症に合併する疾患そのものが麻酔管理上の問題である.
◆禁煙指導や合併疾患の術前コントロールが安全な周術期管理につながる.
◆周術期合併症予防の有効な手段である早期離床を妨げない麻酔管理,術後鎮痛に努める.

肥満外科治療の周術期管理

著者: 稲嶺進 ,   仲里秀次 ,   稲福梨恵 ,   沢岻安勝 ,   我部敦 ,   高江洲享 ,   大城淳

ページ範囲:P.428 - P.435

【ポイント】
◆安全で効果的な肥満外科治療には,高度肥満患者の解剖学的・生理学的特性・併存疾患の特徴を知る必要がある.
◆肥満外科治療に独特な術前・術中・術後管理の必要性を理解し,実践する必要がある.
◆高度肥満患者は生体反応に乏しく,術後合併症が起こっても症状が出にくいため,疑ったら迷わず再手術を検討すべきである.

周術期栄養管理—術前減量と術後栄養管理の実際

著者: 若松高太郎 ,   愛甲丞 ,   岩田亮平 ,   谷島翔 ,   李基成 ,   奥村康弘 ,   平野康介 ,   八木浩一 ,   山下裕玄 ,   野村幸世 ,   瀬戸泰之

ページ範囲:P.436 - P.440

【ポイント】
◆周術期栄養管理の質は減量手術による減量効果に影響する.
◆周術期の栄養管理は単に手術のためではなく,長期的食習慣の改善の目的がある.
◆“太る”食習慣の解明に努め,各患者個人に合わせた柔軟な栄養管理が必要となる.

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術

著者: 佐々木章 ,   梅邑晃 ,   高橋眞人 ,   屋成信吾 ,   石岡秀基 ,   二階春香 ,   新田浩幸

ページ範囲:P.441 - P.446

【ポイント】
◆腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の導入では,日本肥満症治療学会の肥満症外科手術認定施設での見学や研修の経験を有すること,初期症例では本手術に十分な経験をもつ指導医の下で執刀医としての経験を有することが必要である.
◆高度肥満症患者の皮下脂肪は厚く,第1トロッカーの挿入は特に注意が必要である.
◆縫合不全と胃管の狭窄・捻じれを予防する手技の工夫を理解する必要がある.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2024年4月末まで)。

腹腔鏡下スリーブ・バイパス術

著者: 井本博文

ページ範囲:P.448 - P.452

【ポイント】
◆腹腔鏡下スリーブ・バイパス術は,スリーブ状胃切除術に十二指腸空腸バイパスを付加した術式である.
◆手術手技においては,鉗子での適切な牽引による場の展開,操作の軸を合わせることが肝要であり,また体腔内手縫い吻合操作を含め,適切な鏡視下縫合・結紮手技の習得が不可欠である.
◆本術式は特に糖代謝改善効果が非常に高く,代謝改善手術としても注目されている.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2024年4月末まで)。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術に対する修正手術—腹腔鏡下修正Roux-en Y胃バイパス術の手術手技

著者: 北浜誠一

ページ範囲:P.453 - P.459

【ポイント】
◆本邦で最も多く行われている肥満外科手術である腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(LSG)に対する修正手術(RS)の術式・適応について概説する.
◆LSG術後の最も頻度の高い合併症は胃食道逆流症であるが,これに対する標準術式である修正Roux-en Y胃バイパス術について解説する.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2024年4月末まで)。

内視鏡的胃内バルーン留置術

著者: 前川智 ,   新澤真理 ,   原田大

ページ範囲:P.460 - P.466

【ポイント】
◆内視鏡的胃内バルーン留置術は,BMIが27 kg/m2以上の肥満患者に対する減量を目的として,内視鏡を用いて胃の中に直径が約10 cmのバルーンを留置する術式のことである.
◆物理的な胃内容量の減少と機能的な胃内容の排泄遅延によって,摂食量を減少させることで減量効果を期待する治療法であり,穹窿部にバルーンを留置することが望ましい.
◆完全に可逆的な治療法であるため,十分な効果が得られるためには,バルーン留置中および留置後の食事指導が重要となる.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2024年4月末まで)。

術後合併症とその対応

著者: 宮崎安弘 ,   本告正明 ,   藤谷和正

ページ範囲:P.468 - P.473

【ポイント】
◆高度肥満症に対する外科手術後合併症は,通常の消化器外科手術とは異なることを認識しておく必要がある.
◆高度肥満症患者のショック状態への対応は,気管挿管,循環・呼吸管理を含めて難渋することが多く,致命的になりかねない.術後合併症を重篤化させないよう,先手を打つことが重要である.
◆スリーブ状胃切除術における特有の合併症として,難治性縫合不全,狭窄・捻じれ,胃食道逆流症があり,その特性を理解すべきである.

肥満外科手術後のフォローアップ

著者: 太田正之 ,   遠藤裕一 ,   藤永淳郎 ,   渡邉公紀 ,   川崎貴秀 ,   中沼寛明 ,   河村昌寛 ,   増田崇 ,   平下禎二郎 ,   正木孝幸 ,   猪股雅史

ページ範囲:P.474 - P.478

【ポイント】
◆肥満外科手術後,多職種からなるチームによるフォローアップ体制で,永続的にフォローアップを行う.
◆術後のリバウンドの定義は統一されたものはなく,生活習慣の改善がなければ容易にリバウンドする.
◆腹腔鏡下スリーブ状胃切除術後,逆流性食道炎は増加するが,食道裂孔修復術の同時手術の有用性は明らかでない.

肥満外科治療の治療困難例への対応—術前併存疾患,精神疾患

著者: 長尾吉泰 ,   吉住朋晴 ,   沖英次 ,   森正樹 ,   江藤正俊

ページ範囲:P.479 - P.487

【ポイント】
◆本稿では,様々な術後における予後不良因子として報告される指標,Charlson Comorbidity Indexに着目し,術前併存疾患について述べる.
◆肥満・糖尿病外科手術の適応となる患者の約半数に併存し,術後治療困難例となるリスク因子である精神疾患への対応も必要である.

交見室

Covid-19流行中でも若手外科医を育てる

著者: 今村清隆

ページ範囲:P.488 - P.488

 流行が長期化し,他者との出会いを制限され,先の見えない不安から疲労困憊している方が周りに増えている.特に医療従事者はストレスが多い.どの施設でも,密を避けるため勉強会は延期または中止となり,急を要さないという理由で定期手術は特に良性疾患を中心に減少している.Covid-19対応に追われ,指導医も後進を教えるための時間や気力を割けない.若手外科医は,ほかの施設へ手術見学に行くことも制限されている.そんな中でも次世代を担う外科医の教育を疎かにすることは,将来への確実な投資を怠ることとなる.
 幸いオンラインを用いた教育が十分に可能な環境がすでに整っている.

FOCUS

新型コロナ感染症の院内感染発生から収束までの経過と対策

著者: 瀧藤克也

ページ範囲:P.489 - P.493

はじめに
 2019年12月,中国の武漢市で肺炎患者の集団発生が報告され,この原因となった新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染は瞬く間に世界中に拡大し,WHOは2020年1月30日に公衆衛生上の緊急事態を宣言した.2003年のSARS-CoV-1流行時は,わが国では旅行者1名の感染確認のみで,大過なく収束した.しかし,今回のSARS-CoV-2は特徴的なスパイク構造をもつヒトの鼻風邪コロナウイルスと同じコロナウイルスで,SARS-CoV-1と同じグループに属しながら,全大陸に蔓延し,なかなか感染収束の兆しが見えてこない.当院での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内発生からほぼ1年が経過した.今回,当時の記録から,院内感染の発生から収束までの経過と対策について報告する.

第120回日本外科学会定期学術集会の完全Web開催を体験して

著者: 北川雄光 ,   尾原秀明

ページ範囲:P.494 - P.499

はじめに
 まさか2020年がこのような1年になるとは想像もしていなかった.本学外科学教室100周年記念と同時に第120回定期学術集会を主催させていただける栄誉に,教室員,同窓会員が一丸となって準備を重ねて迎えた2020年,様相は一変した.思い描いていたものとは全く異なる完全Web開催という形で学術集会を終えて,これから外科学の将来を担う若手外科医の皆様に少しでも役に立てればとの思いで,その体験と未来への展望について記すこととした.

病院めぐり

南医療生活協同組合 総合病院 南生協病院 外科

著者: 長谷川誠

ページ範囲:P.500 - P.500

 南生協病院は,愛知県名古屋市南東部の緑区唯一の総合病院です.標榜22科医師数58人で313床の病床を運営しています.臨床研修指定病院としてフルマッチを続けており,厚生労働省から配分される臨床研修医枠も年々増加しています.
 1959年名古屋市南部地域は,伊勢湾台風により甚大な被害を受けました.この際,日本全国から医師,看護師をはじめとする医療ボランティアが救援のために仮設診療所を設立しました.これを契機に地域の人々から恒久的な診療所設立の機運が高まり,2か所の診療所が支援医療ボランティアの協力のもと設立されたのが,当院の源流です.その後,救急医療や入院医療に対応できる総合病院が欲しいとの地域のみなさんの要望と出資により,1976年,総合病院南生協病院が名古屋市南区に設立されました.2010年には,南区から緑区に新築移転し現在に至っています.

臨床報告

イレウス管抜去時に胃内で結節を形成した1例

著者: 古部快 ,   藤田晃司 ,   一坂俊介 ,   溝田高聖 ,   石川啓一 ,   菊永裕行

ページ範囲:P.501 - P.504

要旨
症例は70歳女性.急性虫垂炎の手術歴あり.突然の下腹部痛,嘔吐を主訴に救急外来を受診した.造影CT検査にて,closed loopの形成およびcaliber changeを認め,絞扼性イレウスの診断で入院となった.イレウス管挿入のうえ緊急手術を施行した.回盲部にバンド形成を認め,30 cm長の回腸が絞扼されていた.色調不良を認めるものの可逆性変化を示したため腸管切除は行わず,バンドを切離しスプリンティング目的に回腸末端までイレウス管を留置した.第3病日に透視下でイレウス管の抜去を行った.胃内に2つのループを認め,抜去時に結節を形成した.結節は鼻から抜去できず,口から用手的に結節を引き出し,イレウス管を切断のうえ抜去した.第9病日に退院となった.

Kasabach-Merritt症候群合併肝血管腫にthrombomodulinが著効した1切除例

著者: 南波宏征 ,   長津明久 ,   神山俊哉 ,   折茂達也 ,   蒲池浩文 ,   武冨紹信

ページ範囲:P.505 - P.508

要旨
症例は70代男性.心窩部不快感を主訴に近医を受診し,肝外側区域に16 cm大の肝血管腫の診断となった.当院消化器内科に紹介となったが,受診時の採血で日本血栓止血学会DIC診断基準2017年版の診断基準を満たし,Kasabach-Meritt症候群(KMS)の診断となった.リコンビナントトロンボモジュリン(rTM)380 U/kgを6日間投与し,DICスコアは6点から1点に劇的に改善を認め,術中の出血傾向もなく肝左葉切除を施行することができた.手術時間は3時間41分,出血は200 mLであった.病理組織学的診断はhemangiomaで悪性所見は認めなかった.本症例のように近年DIC症例に対して術前にrTMを投与することで術中出血を抑制できた症例が報告されている.rTMはKMSを伴う肝血管腫の術前治療に有用である.

急性腹膜炎術後に診断された早期胃癌穿孔の1例

著者: 板野聡 ,   谷口信將 ,   堀木貞幸 ,   寺田紀彦

ページ範囲:P.509 - P.512

要旨
症例は63歳,男性.2019年12月に突然の心窩部痛で来院し,腹部CT検査で上腹部にfree airを認め,既往歴から胃潰瘍の穿孔による急性腹膜炎と診断し緊急手術を行った.胃小彎前壁寄りに8 mm径の穿孔を認め,漿膜に変化がないことから,大網充塡術および腹膜炎手術を行った.退院前の上腹部内視鏡検査で胃角部小彎に陥凹性病変を認め,Ⅱc+Ⅲと診断された.生検標本でGroup 5(por.)と確定診断されたため,2か月後に胃亜全摘術を行った.切除標本ではⅡc+Ⅲ,sm,n0,pStageⅠAであった.今回,われわれは,胃穿孔による急性腹膜炎に対して緊急手術を行った後,早期胃癌の穿孔と診断され二期的に根治手術を行った症例を経験したので,文献的検討を加えて報告する.

書評

—増井伸高(著)—高齢者ERレジデントマニュアル

著者: 関口健二

ページ範囲:P.423 - P.423

 良質な研修病院で研修を行うことのメリットは何でしょう.僕が米国臨床留学で感じたそのメリットとは,「十分な知識や経験がなくても,その施設でルーチンとなっている診療がスタンダードな診療であるため,それらを体で覚えられること」でした.
 僕が20年前に経験した初期研修では,必ずしもスタンダードな診療がルーチンになっているとは言いがたく,バイブルとしたのは『ワシントンマニュアル』でした.ボロボロになるまで使い続けたワシマニに何度救われたことか.20年を経た今,良質なマニュアルが数多く出版されるようになって,研修医にとってはどこででもスタンダードな診療がやりやすい状況になったと言えると思います.

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目次

ページ範囲:P.394 - P.395

原稿募集 「臨床外科」交見室

ページ範囲:P.410 - P.410

バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.516 - P.516

あとがき

著者: 小寺泰弘

ページ範囲:P.518 - P.518

 胃癌を専門としている普通の外科医として,自ら会費を払ってAmerican College of Surgeonsをはじめとする米国の学会の定期学術集会に参加していた頃,折角だから胃癌の勉強をしたいと考えてもそれは無理な注文であった.彼の地の学会では,すでに希少癌になり下がった胃癌の演題などはほとんど見られないのである.上部消化管外科で主題演題を探してみても,何か特集が組まれているとすればその内容は多くの場合,肥満手術であった.と言っても,さらに詳細を述べるなら,高度肥満に苦しむ患者を対象とする手術ではなく,2型糖尿病患者をインスリンの自己注射などから解放するメタボリックサージェリーがテーマとなっていることが多かった.これは興味深い分野であり,もしかすると透析患者に対する腎移植に匹敵する画期的な治療法かもしれないと思ってわくわくしたものだ.しかし,それは今回の特集の中心ではない.物事には順番があり,わが国ではようやく高度肥満例に対するsleeve gastrectomyが保険適用となったところである.まずはここからのスタートであるが,それでも患者さんに手術療法を決意していただく前にやるべきことが山ほどあり,その多くが外科医の業務外の仕事である.忙しい外科医としては,無事に手術が終わりさえすれば,自分の役割は終わったものと考えたいものである.なかなかそうもいかないのだが,少しでもその方向に向かいたければ,肥満手術にはチームが必要であり,多くの専門家に関わっていただいてしっかりと準備をすることで,外科医は手術に集中することができることを知るべきである.もちろん外科医としても手術台や病室の便座が何キロまで耐えうるかを調べておく必要はあるのだが.そういうわけで,今回の特集は一見外科学と関係なさそうな内容も含んでいるが,そこを勉強せずに手術手技を覚えるだけでは,肥満手術の導入はおぼつかない.肥満手術は集約化された施設で行えばよいので,本書は万人向けの内容ではないかもしれないが,胃癌を専門としている外科医はそのうちに職を失う可能性もあるご時勢である.近未来にメタボリックサージェリーまで適応が広がることを見越して,このタイミングで肥満手術の勉強をしておいてはどうだろうか.コロナ禍の今,敢えて行うべき手術ではないことは言うまでもない.今は我慢して勉強にとどめ,体制を整えて,コロナの収束に備えよう.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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