文献詳細
臨床報告
イレウス管抜去時に胃内で結節を形成した1例
著者: 古部快1 藤田晃司1 一坂俊介1 溝田高聖1 石川啓一1 菊永裕行1
所属機関: 1日野市立病院外科
ページ範囲:P.501 - P.504
文献概要
症例は70歳女性.急性虫垂炎の手術歴あり.突然の下腹部痛,嘔吐を主訴に救急外来を受診した.造影CT検査にて,closed loopの形成およびcaliber changeを認め,絞扼性イレウスの診断で入院となった.イレウス管挿入のうえ緊急手術を施行した.回盲部にバンド形成を認め,30 cm長の回腸が絞扼されていた.色調不良を認めるものの可逆性変化を示したため腸管切除は行わず,バンドを切離しスプリンティング目的に回腸末端までイレウス管を留置した.第3病日に透視下でイレウス管の抜去を行った.胃内に2つのループを認め,抜去時に結節を形成した.結節は鼻から抜去できず,口から用手的に結節を引き出し,イレウス管を切断のうえ抜去した.第9病日に退院となった.
参考文献
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