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文献概要
増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために
序
著者: 小寺泰弘1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
ページ範囲:P.1 - P.1
文献購入ページに移動 近年,画像診断は極めて精度が高くなるとともに,術前にさらに緻密に検討されるようになった.また,手術術式も縮小手術から拡大手術まで細分化されており,術前に自信をもって予定術式を決定するには緻密な術前診断によりなるべく正確に臨床病期分類を行う必要がある.また,診断結果次第では集学的治療を行う順番が変わり,術前に薬物療法や化学放射線療法をもってくるような判断もなされうる.結果的に判断が裏目に出ることもあるが,その可能性をなるべく低くすべく,的確な術式選択に資するガイドブックの編纂を目指した.
一方,ひとたび術式が決まっても,臓器の大きさや形,そして術中に露出したり処理したり温存したりすべき構造物の走行は人それぞれである.触診に頼ることができない完全鏡視下手術においては,組織に覆われて直接視認できない血管などの走行や分岐のしかたが事前にわかっていると大変心強い.開腹手術であっても肝実質というブラックボックスの中を走る脈管は,直接は視認できない.局所解剖の正確な把握は精緻な手術を行う準備として極めて重要であることは言うまでもなく,また,この点においても近年の術前画像の情報量は極めて多い.そこで,術式選択とともに,的確な解剖把握のために資するガイドブックの編纂を目指した.
一方,ひとたび術式が決まっても,臓器の大きさや形,そして術中に露出したり処理したり温存したりすべき構造物の走行は人それぞれである.触診に頼ることができない完全鏡視下手術においては,組織に覆われて直接視認できない血管などの走行や分岐のしかたが事前にわかっていると大変心強い.開腹手術であっても肝実質というブラックボックスの中を走る脈管は,直接は視認できない.局所解剖の正確な把握は精緻な手術を行う準備として極めて重要であることは言うまでもなく,また,この点においても近年の術前画像の情報量は極めて多い.そこで,術式選択とともに,的確な解剖把握のために資するガイドブックの編纂を目指した.
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