臨床外科77巻11号

2022年10月発行

増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために

Ⅲ　小腸・大腸 良性疾患

潰瘍性大腸炎

著者： 松田圭二¹ 橋口陽二郎¹ 宮田敏弥¹ 浅古謙太郎¹ 福島慶久¹ 金子建介¹ 島田竜¹ 端山軍¹ 野澤慶次郎¹

所属機関： ¹帝京大学医学部外科学講座

ページ範囲：P.125 - P.129

文献概要

　潰瘍性大腸炎（ulcerative colitis：UC）の手術は大きく分けると，待機手術で行われる肛門温存大腸全摘，回腸囊肛門（管）吻合，回腸人工肛門造設術^1〜3），緊急手術で選択される結腸（亜）全摘，回腸人工肛門造設術がある^4,5）．
　肛門温存大腸全摘における吻合法について，当科の方針は，腫瘍合併例で回腸囊肛門吻合（ileoanal anastomosis：IAA），腫瘍非合併の難治例では回腸囊肛門管吻合（ileoanal canal anastomosis：IACA）を腹腔鏡補助下に行っている．また，腫瘍合併例であるが肛門管に腫瘍が及んでおらず，体型的にIAAが難しい症例ではIACAを選択することもある．
＊本論文中、［▶動画］マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます（公開期間：2027年10月末まで）。

参考文献

1）池内浩基，他：臨外73：1344-1348，2018

2）板橋道朗，他：臨外73：1356-1360，2018

3）廣純一郎，他：臨外73：1350-1355，2018

4）難治性炎症性腸管障害に関する調査研究（久松班）厚生労働省科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業：潰瘍性大腸炎外科治療指診．潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針．令和2年度分担研究報告書，2021，pp 17-19

5）長谷川博俊，他：臨外73：1334-1338，2018

6）日本消化器病学会（編）；炎症性腸疾患（IBD）診療ガイドライン2020，改訂第2版．南江堂，2020，pp 122-125

7）小山文一，他：手術71：971-976，2017