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文献詳細

雑誌文献

臨床外科77巻11号

2022年10月発行

文献概要

増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために Ⅲ 小腸・大腸 良性疾患

成人腸重積

著者: 横井圭悟1 横田和子1 田中俊道1 古城憲1 三浦啓寿1 山梨高広1 佐藤武郎1 内藤剛1

所属機関: 1北里大学医学部下部消化管外科学

ページ範囲:P.141 - P.144

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 腸重積は口側の腸管が肛門側の腸管内腔に引き込まれて重なり合った状態である.腸閉塞や,腸間膜が引き込まれることによる血行障害を引き起こすこともある.腸重積は乳幼児において多く認められる一方で,成人では比較的まれな疾患である.小児における腸重積は特発性であることが多く,軽症例であれば非観血的整復術を行って経過観察も可能である.対照的に,成人腸重積は悪性腫瘍をはじめとした器質的疾患を原因として発症するものが多い.そのため,非観血的整復術のみで治療を終了することは少なく,基本的には緊急手術も含め,手術療法を念頭に置いた治療戦略が必要となる.

参考文献

1)Hong KD, et al:Tech Coloproctol 23:315-324, 2019
2)Ciftci F:Int J Clin Exp Med 8:10001-10005, 2015
3)Marsicovetere P, et al:Clin Colon Rectal Surg 30:30-39, 2017
4)Mrak K:J Gastrointest Oncol 5:E75-E79, 2014
5)日本小児救急医学会(監修)/日本小児救急医学会ガイドライン作成委員会(編);エビデンスに基づいた小児腸重積症の診療ガイドライン,第1版.へるす出版,2012,p 9

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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