臨床外科77巻12号

2022年11月発行

手術器具・手術材料—私のこだわり・11

パワースターバイポーラーシザーズの効果的な使用法

著者： 赤星径一¹ 浅野大輔¹ 石川喜也¹ 渡邊秀一¹ 上田浩樹¹ 小野宏晃¹ 工藤篤¹ 田邉稔¹

所属機関： ¹東京医科歯科大学大学院肝胆膵外科学分野

ページ範囲：P.1357 - P.1359

文献概要

　手術における基本操作「剝離・凝固・切開」を行うために様々なデバイスが使用される．剝離操作は，剝離鉗子やメッツェンバウム剪刃，エナジーデバイスの先端などで行われる．凝固・切開には，電気メスや剪刃，種々のエナジーデバイスが用いられる．ジョンソン・エンド・ジョンソン社のパワースター^®バイポーラーシザーズ（以下，パワースター）は，メッツェンバウム剪刃にバイポーラー凝固機能を組み合わせた手術器具であり，「剝離・凝固・切開」を器械の持ち替えなく連続的に行うことができ，スムーズに手術を進めることが可能になる．パワースターの歴史は長く，1997年の発売以降，消化器外科^1），産婦人科^2），泌尿器科^3）の手術などで使用されているが，その性能を最大限引き出すには若干のコツが必要であるため，必ずしも広く普及しているとはいえない．本稿では，パワースターの原理，効果的な使用方法と注意点について解説する．

参考文献

1）Kusunoki M, Shoji Y, Yanagi H, et al：Usefulness of bipolar scissors for total colectomy. Dis Colon Rectum 41：1197-1200, 1998 doi：10.1007/BF02239445. PMID：9749506.

2）西谷雅史：バイポーラーシザーズ（POWERSTAR）．臨婦産56：675-679，2002

3）岩村正嗣：バイポーラーシザーズの使い方．臨泌55：833-836，2001

4）PMDA独立行政法人　医薬品医療機器総合機構，機械器具等29　電気手術器バイポーラ電極パワースターシザーズ〔https://www.info.pmda.go.jp/ygo/pack/340216/20900BZY00138000_A_07_02/20900BZY00138000_A_07_02?view=body〕

5）PMDA独立行政法人　医薬品医療機器総合機構，機械器具等29　電気手術器高度管理医療機器　治療用電気手術器 特定保守管理医療機器Valleylab FT10エネルギープラットフォーム〔https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/610015/610015_22800BZX00157000_A_01_09.pdf〕