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臨床報告
長期経過が確認できた回盲部狭窄原発性腸結核の1切除例
著者: 源寛二1 重戸伸幸2 三宅俊嗣2 池田敏夫1
所属機関: 1玉野医療センター玉野市民病院外科 2玉野医療センター玉野市民病院内科
ページ範囲:P.1369 - P.1373
文献購入ページに移動腸結核は嚥下によって腸管に侵入した結核菌が粘膜下層のリンパ濾胞に感染し,局所治癒再燃を繰返した場合,瘢痕による腸管狭窄に至ると考えられるが,潜伏期間については不詳である.今回,本邦在住15年の移民者腸閉塞症例の精査にて回盲部腫瘍と領域リンパ節転移が疑われたが,10年前と4年前の腹部CT所見から,経時的に増悪する盲腸壁の肥厚や上行結腸の短縮,領域腸間膜リンパ節腫大を認め,病変部生検結果から多核巨細胞を伴う類上皮肉芽腫が確認された.インターフェロンγ遊離試験陽性であり,原発性回盲部腸結核による腸閉塞と診断し,腹腔鏡下結腸右半切除を施行した.発症まで10年の経過を確認できた,まれな症例と思われた.
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