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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科77巻13号

2022年12月発行

雑誌目次

特集 新・外科感染症診療ハンドブック

ページ範囲:P.1397 - P.1397

 外科感染症は消化器外科の周術期と切っても切れない結びつきをもつ合併症であり,常に最新の情報にアップデートしておく必要があります.術式や薬剤の変化だけでなく,社会的な情勢の変化にも対応していかねばなりません.

総論

周術期感染対策と予防的抗菌薬投与

著者: 針原康

ページ範囲:P.1398 - P.1403

【ポイント】
◆手術部位感染(SSI)の原因は術中の術野の細菌汚染であり,SSIが起こるかどうかは,術中から術後数時間で決まる.
◆適切な濃度の予防的抗菌薬投与は,生体防御能の担い手である好中球の貧食能の強力な援軍として働く.
◆本邦での予防的抗菌薬は,「術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン」に従って,適切に投与するのが好ましい.

消化器外科における術後感染性合併症サーベイランス

著者: 渡邉学

ページ範囲:P.1404 - P.1408

【ポイント】
◆消化器外科領域における術後感染性合併症は,手術部位感染(SSI)(切開創SSI,臓器/体腔SSI)と遠隔部位感染(RI)に分類される.
◆術後感染性合併症の発生防止対策を計画・実施・評価するためには,有効なサーベイランスを行うことが必須である.
◆各施設でSSIだけでなくRIも含むすべてのサーベイランスを行い,術後感染性合併症全体の発生予防対策を行うことが重要である.

術後感染症対策としての経腸栄養法

著者: 鈴木大亮 ,   古川勝規 ,   大塚将之

ページ範囲:P.1409 - P.1417

【ポイント】
◆経口摂取,経腸栄養剤の経口投与や,経管投与などの腸を使う栄養管理が感染性合併症対策として重要と考えられる.
◆近年,早期経口摂取が可能となり,術後経管栄養の適応は狭まりつつある.
◆高度侵襲手術症例ではさらにimmunonutritionやシンバイオティクス投与を考慮する.

人工膵臓による感染性合併症予防

著者: 前田広道 ,   上村直 ,   宗景匡哉 ,   藤澤和音 ,   川西泰広 ,   田中智規 ,   山本奈緒 ,   壬生季代 ,   花﨑和弘

ページ範囲:P.1419 - P.1424

【ポイント】
◆術後高血糖は感染性合併症の発生に関連しており,適切な周術期血糖管理の重要性が認識されてきている.
◆人工膵臓を用いた血糖管理(人工膵臓療法)の利点は,高い精度で目標血糖値を維持でき,従来法による血糖管理の大きな問題点である低血糖発作を回避できることである.
◆消化器外科領域における人工膵臓療法の至適目標血糖値は80〜120 mg/dL前後と考えられる.
◆人工膵臓療法は看護師の血糖管理業務に関連する労働負担を軽減する.

周術期敗血症とDICに対する治療戦略

著者: 秋元寿文 ,   小野聡

ページ範囲:P.1425 - P.1429

【ポイント】
◆敗血症症例はsequential organ failure assessment(SOFA)スコアを用いて重症度評価を行う.
◆初期蘇生時には治療開始と同時に心機能・血行動態の評価を心エコーを用いて行うことが重要である.
◆敗血症性臓器障害の本態は血管内皮細胞傷害である.

抗菌薬による有害事象に対する診断と対策

著者: 辻本広紀

ページ範囲:P.1430 - P.1432

【ポイント】
◆抗菌薬によるアナフィラキシー反応は,稀ながらも生命を脅かすようなショックを呈することがある.詳細な問診と投与後の観察は不可欠であり,抗菌薬もしくはその他の薬剤へのアレルギーの既往に応じた投与が必要である.
◆腎機能障害,肝機能障害を有する症例では,それぞれの臓器障害程度を評価したうえで,抗菌薬の選択,投与量を評価する必要がある.
◆抗菌薬の中には,神経毒性,血液毒性を有する薬剤もあり,これらのモニタリングを行い減量やほかの抗菌薬への変更など,適切に対応する必要がある.

多職種による感染性合併症対策(ICTとAST)

著者: 畑啓昭

ページ範囲:P.1433 - P.1437

【ポイント】
◆薬剤耐性菌や抗菌薬適正使用の基本について理解する.
◆薬剤熱や結晶性関節炎など,非感染性の術後の発熱原因を理解する.
◆外科医だけで治療を完結することは困難な時代になっている.感染制御チーム(ICT)や抗菌薬適正使用支援チーム(AST)と積極的にコミュニケーションを図り,より良い治療方針を立てるようにする.

COVID-19パンデミックと外科—国際共同研究の結果から

著者: 橋本大輔 ,   里井壯平 ,   山本智久 ,   山木壮 ,   松井雄基 ,   ,   関本貢嗣

ページ範囲:P.1439 - P.1444

【ポイント】
◆COVID-19に関する国際的研究組織であるCOVID Surgグループは,COVID-19が世界の外科治療に与えた影響を発信してきた.
◆COVID-19パンデミックの第1波によって世界で最大70%の予定手術が中止,延期されたと推定された.
◆COVID-19パンデミックの第1波では,感染患者に外科手術を行った場合,術後30日以内死亡率が24%に達するなどリスクが高かった.
◆COVID-19の術前スクリーニングは特にCOVID-19流行地域において術後肺合併症予防に有用である.

各論

食道癌術後の感染性合併症対策

著者: 松井一晃 ,   須永舞 ,   月山絵未 ,   井出瑶平 ,   宮前遊花 ,   鳥崎友紀子 ,   足立陽子 ,   下田啓文 ,   島田岳洋 ,   関本康人 ,   川口義樹 ,   浦上秀次郎 ,   石志紘 ,   松本純夫

ページ範囲:P.1446 - P.1451

【ポイント】
◆食道癌の手術において,術後の感染性合併症は予後にも影響を与える重大な問題である.
◆特に進行癌では標準治療として術前化学療法を行い,手術までに時間を要することが多く,合併症対策は初診時からの介入が重要となる.
◆治療成績の向上には,各専門スタッフと綿密に連携を取り,多方面からの総合的な取り組みが不可欠である.

大腸癌術後の感染性合併症対策

著者: 夏目壮一郎 ,   川合一茂

ページ範囲:P.1452 - P.1456

【ポイント】
◆抗菌薬投与による化学的前処置は,機械的前処置と併用することでsurgical site infection(SSI)の発生を減らす.
◆縫合不全は感染性合併症の中でも特に重篤な合併症であり,その予防のためには確実な吻合,腸管血流の温存,吻合部のintegrityの担保が重要である.
◆各感染性合併症発生の危険因子を念頭に置き,適切な周術期管理や確実丁寧な手術手技など,多角的に取り組むことが重要である.

大腸癌手術の周術期における腸内細菌叢の変化と術後腸炎対策

著者: 赤木智徳 ,   北川雅浩 ,   猪股雅史

ページ範囲:P.1457 - P.1460

【ポイント】
◆腸内細菌と腸管上皮細胞や免疫細胞との相互作用の実際が分子レベル,遺伝子発現レベルで明らかになってきており,多くの疾患の病態解明や新しい治療対象として実用化が期待されつつある.
◆術後腸炎に対する対策は,低位前方切除術後症候群(LARS)の診断のもと,適切に治療を行う.
◆大腸癌の治療成績のさらなる向上には,マイクロバイオームが手術成績に及ぼす影響を制御する治療戦略が必要である.近い将来,科学的進歩によって,手術関連感染症,吻合部縫合不全,大腸癌の再発を減らすことができる可能性がある.

〔コラム〕直腸会陰創に対する陰圧閉鎖療法

著者: 矢野琢也 ,   吉満政義 ,   中野敢友 ,   井谷史嗣 ,   岡島正純

ページ範囲:P.1461 - P.1464

はじめに
 下部直腸癌や肛門管癌などに対して腹会陰式直腸切断術(abdominoperineal resection:APR)が選択されるが,APR術後の会陰創感染は10〜60%の症例に認められるとされ,重要な課題である1〜3).感染に伴い骨盤内膿瘍,骨盤死腔炎が生じると,その治療は難渋して長期間の治療を要する.
 本邦においても,手術部位感染(surgical site infection:SSI)のリスクの高い患者の縫合創に対して閉鎖環境を維持し,管理された陰圧を付加し滲出液を除去することで,SSIリスクを軽減することを目的とし,2021年に「予防的な」陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:NPWT)が保険適用となったが,診療報酬の算定については留意事項があり適応が限定されているのが現状である.
 APR術後の会陰創に対する陰圧閉鎖療法の使用経験について,文献的考察を加えて報告する.

肝切除術後の感染症対策

著者: 新川寛二 ,   竹村茂一 ,   田中肖吾 ,   天野良亮 ,   木村健二郎 ,   大平豪 ,   西尾康平 ,   木下正彦 ,   田内潤 ,   白井大介 ,   岡田拓真 ,   谷直樹 ,   川口貴士 ,   石沢武彰 ,   久保正二

ページ範囲:P.1465 - P.1470

【ポイント】
◆肝切除術後感染症には背景にある肝硬変などの慢性肝疾患,糖尿病などの併存疾患,高齢などの因子が深く関わっている.
◆肝切除術後合併症の一つである胆汁漏と,手術操作や術中出血量などの術中因子は腹腔内感染の発生要因である.
◆肝切除術後感染症の対策には,周術期の適切な全身管理と確実な手術操作が重要である.

術前胆管炎に対する治療戦略

著者: 瀧下智恵 ,   小薗真吾 ,   刑部弘哲 ,   中川暢彦 ,   三塚裕介 ,   永川裕一

ページ範囲:P.1471 - P.1474

【ポイント】
◆肝胆膵領域の周術期における感染症は術前胆管炎と深く関わっており,術前胆管炎の管理が重要である.
◆術前における胆管炎に対する治療は,手術を想定した適切なドレナージマネージメント,抗菌薬選択が必要であり,それらについてまとめる.

膵頭十二指腸切除後の感染性合併症対策

著者: 畠達夫 ,   水間正道 ,   海野倫明

ページ範囲:P.1475 - P.1480

【ポイント】
◆膵頭十二指腸切除は消化器外科手術の中でも手術部位感染(surgical site infection:SSI)の頻度が高い術式であり,その多くは臨床的膵瘻と関連している.
◆術前胆道ドレナージに伴い汚染状態となった胆汁内の細菌が手術部位に曝露されることでSSIの起因菌となり,その多くはEnterococcus属,Enterobacter属である.
◆胆道ドレナージ施行例などのSSIハイリスク症例には,術前胆汁培養やアンチバイオグラムに基づいた予防抗菌薬を選択することが望ましい.
◆ドレーン培養検査は術後早期より簡便かつ繰り返し施行可能であり,術後SSIサーベイランスに必須である.

肝移植後の感染症

著者: 富丸慶人 ,   小林省吾 ,   佐々木一樹 ,   岩上佳史 ,   山田大作 ,   野田剛広 ,   高橋秀典 ,   土岐祐一郎 ,   江口英利

ページ範囲:P.1483 - P.1487

【ポイント】
◆肝移植を含めた臓器移植後の感染症は,その特徴から,発症時期により初期(移植後1か月以内),中期(1〜6か月),晩期(6か月以降)に分けられ,それぞれの時期に特徴的な感染経路,病原微生物がある.
◆臓器移植後の感染症を感染経路によって分類すると,外科的処置に関連する感染,術前からレシピエント自身が有する感染,移植臓器とともに移入される感染,免疫抑制剤療法に伴う免疫力低下によって引き起こされる日和見感染や潜伏感染の再活性化がある.
◆サイトメガロウイルスは移植後感染症を引き起こす重要な病原微生物の一つで,感染リスクに応じた予防を含めた適切な対策が必要となる.
◆移植後リンパ増殖性疾患の多くは,Epstein-Barrウイルスに感染したB細胞の増殖性疾患で,治療として免疫抑制剤の減量,抗CD20抗体を含めた全身化学療法が行われる.

〔コラム〕脾摘後重症感染症

著者: 伊藤橋司 ,   赤松延久 ,   長谷川潔

ページ範囲:P.1488 - P.1489

はじめに
 脾摘後は,肺炎球菌やインフルエンザ菌を中心とした莢膜保有菌による重症感染症に罹患しやすく,脾摘後重症感染症(overwhelming postsplenectomy infection:OPSI)として知られている.脾摘からOPSI発症までの期間は術後13日の早期から最長59年後という報告まで様々であり,感染のリスクは終生存在するといえる1).発生頻度は脾摘後患者の2.9〜7.0%にみられるとされているが,感染巣が不明な場合も多く,その死亡率は40〜54%と報告されている2)

FOCUS

AI解析を用いたカプセル内視鏡診断の現状と展望

著者: 壷井章克 ,   岡志郎 ,   松原由佳 ,   平田一成 ,   隅岡昭彦 ,   田中信治 ,   多田智裕

ページ範囲:P.1491 - P.1496

はじめに
 カプセル内視鏡(capsule endoscopy:CE)は,飲み込むだけで消化管を自動で撮影する,低侵襲に消化管観察可能な診断機器であり,2000年に初めてIddanら1)が報告して以降急速に発展してきた.本邦では,2007年10月に小腸CEが原因不明の消化管出血(obscure gastrointestinal bleeding:OGIB.上部消化管内視鏡検査と大腸内視鏡検査で出血源を同定できない消化管出血)に対して保険収載された.2012年7月にはパテンシーカプセルが保険収載され,事前の消化管開通性検査を行うことが可能となり,小腸CEは「小腸疾患が既知または疑われる患者」に保険適用拡大され,実臨床において幅広く使用されている.
 さらに,2014年1月には大腸内視鏡検査が困難な症例に対し大腸CEが保険収載され,2020年4月にはコントロール不良の高血圧患者や,慢性閉塞性肺疾患,心不全患者などの合併症により,通常の大腸内視鏡を施行することが困難な患者に対しても保険適用拡大された.しかし,大腸CEは,前処置の内服量が多いことやコストが比較的高額であることなど課題も存在している.一方で,通常大腸内視鏡検査と比べて,スコープ挿入に伴う苦痛や羞恥心,送気に伴う膨満感が少なく低侵襲で行うことができる大腸癌の有用なスクリーニング検査の選択肢の1つであり,さらなる普及が期待されるところである.
 読影医の立場に立ってみると,小腸および大腸CEは,ともに膨大な数の画像を読影しなければならず,常に病変見逃しのリスクも伴い読影の負担が大きい検査である.さらに,読影に精通した人員も圧倒的に少ないのが現状であり,人員不足のなかでさらに読影医の負担を増やしている.このような状況下,読影医の負担,病変見逃しのリスクの低減を目的に,近年CE読影の人工知能(artificial intelligence:AI)の開発が進められている.本稿では,本邦におけるCE診断に関するAIの現況について解説する.

病院めぐり

獨協医科大学日光医療センター外科

著者: 山口悟

ページ範囲:P.1497 - P.1497

 獨協医科大学日光医療センターは獨協医科大学の第3の附属病院です.栃木県の北西部に位置する日光市にあります.日光市は,関東地方の市町村では最も面積が広く,栃木県の約1/4を占めています.「日光を見ずして結構と言うなかれ」と言われた荘厳な日光東照宮をはじめとする世界遺産の社寺と美しい自然が調和した国際観光都市です.コロナ禍の現在でこそ,観光需要が落ち込んでおりますが,早くかつての賑わいを取り戻してほしいと願っています.また,高齢化と過疎化が進む地域でもあります.高齢化率は35.9%と高く,外科的疾患とともに様々な内科的疾患を併存した患者様が受診されます.複数の診療科の協力,地域の医療福祉と連携したトータルなケアが重要となります.
 病院の沿革としましては,じん肺のわが国唯一の専門病院であった国立珪肺労災病院が2005(平成17)年度末をもって廃止され獨協医科大学に移譲,2006(平成18)年4月に日光医療センターが開設されました.標榜18科199床の病床を運営しています.現在の総医師数は45名で,われわれ外科は獨協医科大学第一外科からの出向者を中心に副院長はじめ5名の常勤医,非常勤医2名で一丸となって診療にあたっています.5名の常勤医が標榜する資格としては外科専門医2名(うち指導医2名),消化器外科専門医2名(うち指導医2名),大腸肛門病専門医2名(うち指導医1名),乳腺専門医1名となっており,日本外科学会外科専門医制度関連施設,日本消化器外科学会専門医修練施設,日本大腸肛門病学会認定施設に認定されています.

手術器具・手術材料—私のこだわり・12

腹腔鏡手術のさらなる低侵襲性を求めて(Ⅱ):BJニードル®(2 mm鉗子)

著者: 金平永二 ,   金平文 ,   谷田孝 ,   本田宏志

ページ範囲:P.1498 - P.1501

はじめに
 Reduced port surgeryが普及を始めた2008年ころ,筆者が理想とする極細径鉗子が市販されていなかったため,ニチオン社(千葉県船橋市)に依頼し,これを共同で開発することになった.筆者の要求に応えるべく,ニチオン社の精密金属加工における高い技術水準により産み出されたのが,BJニードル®である1).開発中から現在に至るまで13年間,3,000例以上のreduced port surgeryでBJニードルを使用し,良好な成績を報告してきた2〜5).これら多数の経験から得られた本製品に対する信頼度は高い.本稿では,BJニードルの特徴,構造,使用方法について述べる.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2025年12月末まで)。

書評

—森田達也,木澤義之(監修) 西 智弘,松本禎久,森 雅紀,山口 崇(編)—緩和ケアレジデントマニュアル 第2版

著者: 勝俣範之

ページ範囲:P.1445 - P.1445

 緩和ケアは,「診断された時からの緩和ケア」として,がんが診断された時から提供されるべきとしています(厚労省,2012年).この『緩和ケアレジデントマニュアル 第2版』は,日本の緩和ケアの第一人者の先生方が中心になって,最新の情報をもとにつくられた実践的な教科書であり,マニュアルです.
 近年,緩和ケア研究は,治療研究にも劣らず,たくさんの臨床研究が行われ,多くのエビデンスが積み重ねられてきています.本書では,その得られた最新かつ最善のエビデンスをベースに,きちんとレビューされ,丁寧な記載がなされている点が素晴らしいと思います.また,文献にはPMIDを記載してくれているので,実際に参照する上でとても便利です.さらに,おのおのの治療やケアに対して★がつけられており,★は「観察研究などがある」,★★は「RCTが1つある」,★★★は「メタアナリスまたは複数のRCTがある」としていて,とてもわかりやすいです.

—拡大内視鏡×病理対比診断研究会 アトラス作成委員会(編)—百症例式 胃の拡大内視鏡×病理対比アトラス

著者: 小山恒男

ページ範囲:P.1481 - P.1481

 『百症例式 胃の拡大内視鏡×病理対比アトラス』の書評を依頼され,書籍が届いた.
 まず,タイトルが長い.そして,表紙がチョットね.某アジア国の夜店に並んでいる本みたいである.

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目次

ページ範囲:P.1394 - P.1395

原稿募集 私の工夫—手術・処置・手順

ページ範囲:P.1444 - P.1444

原稿募集 「臨床外科」交見室

ページ範囲:P.1451 - P.1451

バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.1506 - P.1506

次号予告

ページ範囲:P.1507 - P.1507

あとがき

著者: 遠藤格

ページ範囲:P.1508 - P.1508

 ようやくCOVID-19第7波が収束しました.次はいつ来るのか考えるのも嫌ですが,丁度この原稿を書いているとき前の週よりも増加したというニュースが流れて来ました.変異するたびに感染しやすくなり,一方で重篤化させないで人類と共存して生き残る能力を身に付けています.ウイルスがこのような明確なストラテジーを持っていることが不思議ですし,やはり生物なのだなと実感します.われわれ人間もパニックから脱しつつあり,最近は徐々にですが,学会も現地参加者が増えているように感じます.先日司会を務めた日本胆道学会もディスカッションが結構盛り上がりました.
 さて,自由に移動できるようになりましたので,先日宇都宮まで行ってきました.「中山恒明記念館」の見学です.これは宇都宮記念病院に隣接して設立された立派な記念館です.山本雅一病院長に展示物の解説をしていただきながら館内を巡りました.壁面には有名な『教室憲法』が掲げられています.決して抽象的ではなく具体的で,細かい注意書きのような項目が多く,周術期管理の問題が多いのが印象的です.例えば『術後5日間は必ず受け持ちが1日3回患者の様子を見に行く事』は高難度手術に携わる外科医にとって永遠の真理だと思います.流石に現代では多職種協働ですので,看護師さんを信頼して外科医が直接訪室することは減っているかもしれませんが,朝と夕の回診はマストですね.第73条には感染症が発生したときの隔離と消毒について触れられています.今回の特集ではそのアップデート版ともいうべきものをエキスパートの先生方に執筆していただきました.

「臨床外科」第77巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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