文献詳細
特集 新・外科感染症診療ハンドブック
総論
文献概要
【ポイント】
◆抗菌薬によるアナフィラキシー反応は,稀ながらも生命を脅かすようなショックを呈することがある.詳細な問診と投与後の観察は不可欠であり,抗菌薬もしくはその他の薬剤へのアレルギーの既往に応じた投与が必要である.
◆腎機能障害,肝機能障害を有する症例では,それぞれの臓器障害程度を評価したうえで,抗菌薬の選択,投与量を評価する必要がある.
◆抗菌薬の中には,神経毒性,血液毒性を有する薬剤もあり,これらのモニタリングを行い減量やほかの抗菌薬への変更など,適切に対応する必要がある.
◆抗菌薬によるアナフィラキシー反応は,稀ながらも生命を脅かすようなショックを呈することがある.詳細な問診と投与後の観察は不可欠であり,抗菌薬もしくはその他の薬剤へのアレルギーの既往に応じた投与が必要である.
◆腎機能障害,肝機能障害を有する症例では,それぞれの臓器障害程度を評価したうえで,抗菌薬の選択,投与量を評価する必要がある.
◆抗菌薬の中には,神経毒性,血液毒性を有する薬剤もあり,これらのモニタリングを行い減量やほかの抗菌薬への変更など,適切に対応する必要がある.
参考文献
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