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文献詳細

雑誌文献

臨床外科77巻13号

2022年12月発行

文献概要

特集 新・外科感染症診療ハンドブック 各論

肝移植後の感染症

著者: 富丸慶人1 小林省吾1 佐々木一樹1 岩上佳史1 山田大作1 野田剛広1 高橋秀典1 土岐祐一郎1 江口英利1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学

ページ範囲:P.1483 - P.1487

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【ポイント】
◆肝移植を含めた臓器移植後の感染症は,その特徴から,発症時期により初期(移植後1か月以内),中期(1〜6か月),晩期(6か月以降)に分けられ,それぞれの時期に特徴的な感染経路,病原微生物がある.
◆臓器移植後の感染症を感染経路によって分類すると,外科的処置に関連する感染,術前からレシピエント自身が有する感染,移植臓器とともに移入される感染,免疫抑制剤療法に伴う免疫力低下によって引き起こされる日和見感染や潜伏感染の再活性化がある.
◆サイトメガロウイルスは移植後感染症を引き起こす重要な病原微生物の一つで,感染リスクに応じた予防を含めた適切な対策が必要となる.
◆移植後リンパ増殖性疾患の多くは,Epstein-Barrウイルスに感染したB細胞の増殖性疾患で,治療として免疫抑制剤の減量,抗CD20抗体を含めた全身化学療法が行われる.

参考文献

1)Beam E, Razonable RR:Cytomegalovirus in solid organ transplantation:epidemiology, prevention, and treatment. Curr Infect Dis Rep 14:633-641, 2021
2)Mumtaz K, Faisal N, Husain S, et al:Universal prophylaxis or preemptive strategy for cytomegalovirus disease after liver transplantation:a systematic review and meta-analysis. Am J Transplant 15:472-481, 2015
3)Singh N, Winston DJ, Razonable RR, et al:Effect of Preemptive Therapy vs Antiviral Prophylaxis on Cytomegalovirus Disease in Seronegative Liver Transplant Recipients With Seropositive Donors:A Randomized Clinical Trial. JAMA 323:1378-1387, 2020
4)Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al:WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, 4th ed. World Health Organization, 2017
5)日本移植学会 臓器移植関連EBV感染症診療ガイドライン策定委員会:臓器移植関連EBV感染症診療ガイドライン2021年版.メディカルレビュー,2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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