文献詳細
文献概要
特集 新・外科感染症診療ハンドブック 各論
肝移植後の感染症
著者: 富丸慶人1 小林省吾1 佐々木一樹1 岩上佳史1 山田大作1 野田剛広1 高橋秀典1 土岐祐一郎1 江口英利1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
ページ範囲:P.1483 - P.1487
文献購入ページに移動◆肝移植を含めた臓器移植後の感染症は,その特徴から,発症時期により初期(移植後1か月以内),中期(1〜6か月),晩期(6か月以降)に分けられ,それぞれの時期に特徴的な感染経路,病原微生物がある.
◆臓器移植後の感染症を感染経路によって分類すると,外科的処置に関連する感染,術前からレシピエント自身が有する感染,移植臓器とともに移入される感染,免疫抑制剤療法に伴う免疫力低下によって引き起こされる日和見感染や潜伏感染の再活性化がある.
◆サイトメガロウイルスは移植後感染症を引き起こす重要な病原微生物の一つで,感染リスクに応じた予防を含めた適切な対策が必要となる.
◆移植後リンパ増殖性疾患の多くは,Epstein-Barrウイルスに感染したB細胞の増殖性疾患で,治療として免疫抑制剤の減量,抗CD20抗体を含めた全身化学療法が行われる.
参考文献
掲載誌情報