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臨床報告
逆行性に空腸がY脚へ重積した胃全摘術後腸重積の1例
著者: 佐藤孝洋12 本多通孝13 小鹿山陽介1 外舘幸敏13 高野祥直1 寺西寧1
所属機関: 1総合南東北病院外科 2福島県立医科大学消化管外科学講座 3福島県立医科大学低侵襲腫瘍制御学講座
ページ範囲:P.480 - P.482
文献購入ページに移動症例は76歳,男性.2004年に胃癌に対して胃全摘術・Roux-en-Y再建術(後結腸経路)を施行された.2019年5月に悪心,腹痛を主訴に当院を救急受診した.腹部造影CT検査で,左側腹部の小腸にtarget signを認めた.腸重積の診断で,緊急手術を施行した.開腹所見では,Y脚吻合部より肛門側の空腸が逆行性に輸入脚方向へ重積しており,輸入脚および挙上空腸が拡張していた.Hutchinson手技にて,重積腸管を整復した.重積していた空腸は,1か所が間膜側に穿通していたため,穿通部の空腸を部分切除した.術後は特に合併症なく経過し,術後第12病日に退院した.胃全摘術・Roux-en-Y再建後の輸入脚に逆行性に腸重積をきたし腸管切除を要する症例は稀であり,文献的考察を加えて報告する.
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