文献詳細
臨床報告
治療・診断に難渋した非特異性多発性小腸潰瘍症の1例
著者: 吉本裕紀1 谷脇智1 和田義人1 室屋大輔1 下河邉久陽1 森光洋介2
所属機関: 1共愛会戸畑共立病院外科 2共愛会戸畑共立病院病理診断科
ページ範囲:P.483 - P.486
文献概要
患者は82歳,女性.以前より加療していた回腸狭窄症の症状が増悪したため当院紹介となった.精査の結果,回腸に多発潰瘍による狭窄を指摘され,切除目的に外科紹介となった.単孔式腹腔鏡下に回盲部を授動し,小切開創より肥厚した回腸を体外に引き出した.術直前に挿入したイレウス管のバルーンが通過困難な部位を回腸に多数認め,最終的に回腸を約40 cm切除した.病理の結果,非特異性多発性小腸潰瘍症(chronic nonspecific multiple ulcers of the small intestine:CNSU)と診断された.経過良好で術後第11病日に退院となった.診断・治療に難渋したCNSUを経験したので報告した.
参考文献
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