文献詳細
特集 よくわかる肛門疾患—診断から手術まで
各論
裂肛の診断と治療
著者: 岡田有加12 山本哲久1 小澤毅士1 野澤慶次郎2 松田圭二2 橋口陽二郎2
所属機関: 1川口肛門胃腸クリニック 2帝京大学医学部下部消化管外科
ページ範囲:P.941 - P.948
文献概要
◆裂肛とは肛門上皮に生じた非特異的潰瘍性病変の総称で,肛門三大疾患の中で痔核に次いでよくみられる疾患である.肛門後方に好発し,若年,女性に多いとされる.
◆原発性裂肛は経過によって急性裂肛と慢性裂肛に分類される.診断は問診と視診,指診でつくことが多い.
◆急性裂肛は痔疾注入軟膏による保存的治療,生活指導で治癒が望める.繰り返す場合や保存的治療で治癒せず慢性裂肛となった場合は手術治療の適応になる.
◆手術療法として用手的肛門拡張,側方内括約筋切開術,肛門形成術がある.
◆治療法の選択は,肛門疾患・直腸脱診療ガイドライン2020年版に記載されているフローチャートをもとに行うことができる.
参考文献
掲載誌情報