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文献詳細

雑誌文献

臨床外科77巻9号

2022年09月発行

文献概要

手術器具・手術材料—私のこだわり・9

胆道癌肝切除におけるクラフォード鑷子

著者: 江畑智希1

所属機関: 1名古屋大学医学系研究科腫瘍外科学

ページ範囲:P.1105 - P.1107

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きっかけ
 当科の手術の鋼製小物セットは開腹セット,肝胆膵セット,血管(鉗子)セットが存在し,それぞれに複数の鑷子が常備されている.例えばドベーキー型鑷子とスキャラン型鑷子なども含まれ,胆道癌肝切除を行ううえで特に不便を感じたことはなかった.
 15年以上前に留学した先の欧州のある巨匠は,切りたい箇所の両端をドベーキー鑷子でつまみ看護師に電気メスで接触焼きしてもらい,その間をハサミで切っていた.ボスは「いいだろ?」とドヤ顔を決めこんだ.その後名古屋大に戻り,あの手技は京都大の田中紘一前教授のPinch-burn-cut法そのものであることを知った.あれはパクリだったか….また,小児外科の安藤久實教授に膵・胆管合流異常の手術指導を受けていたところ,初めて見かける鑷子を使い繊細な手技を展開していた.「京大移植外科の鑷子,君らの手術にピッタリだと思うよ.」と安藤教授は言った.この2人の技術には何か共通性を感じていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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