icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科78巻1号

2023年01月発行

文献概要

同心円状モデルで読み解く 新しい食道外科解剖・1【新連載】

右上縦隔—縦隔の左右対称性を見抜く

著者: 藤原尚志1

所属機関: 1東京医科歯科大学 消化管外科学分野

ページ範囲:P.86 - P.97

文献購入ページに移動
連載を始めるにあたって
 “同心円状モデル”は,私が2012年に食道外科医となって以降この10年間に食道癌手術に取り組むなかで,外科手術の土台である解剖をとことん考え尽くした成果です.そしてこの10年の成果をこのたび連載という形で発表する機会をいただきました.
 私は2012年(卒後6年目)に食道外科の道に踏み入る以前の3年間を東京医科歯科大学の一員として,その関連病院(JAとりで総合医療センター,土浦協同病院)で一般消化器外科研修を受けていました.虫垂炎,胆囊炎,鼠径ヘルニアの手術に始まり,大腸癌,胃癌などの手術を担当するようになり,いろいろな手技を学び覚え,とても楽しく充実していた一方で,どこか満足しきれない,不安な気持ちがありました.その原因は「一体そこがどうなっているのか」ということがなかなかわからなかったためでした.先輩方は百戦錬磨の外科医であり,とても丁寧に(かつ優しく!)手術指導をしてくださるので「どうすればいいか」は教えてもらえるのですが(もちろん大事!),ただ一方で「どうなっているのか」についてはなかなか明快に(私が納得のいく形で)説明してはもらえませんでした.どうなっているかわからなければ次の機会にうまくできる保証はない! と不安だったのです.

参考文献

1)Fujiwara H, Kanamori J, Nakajima Y, et al:An anatomical hypothesis:a "concentric-structured model" for the theoretical understanding of the surgical anatomy in the upper mediastinum required for esophagectomy with radical mediastinal lymph node dissection. Dis Esophagus 32:Aug 1, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?