文献詳細
FOCUS
医学生に対する外科勧誘のアプローチ
著者: 小松昇平1 岡田健次2 掛地吉弘3 國久智成4 尾藤祐子5 眞庭謙昌6 福本巧1
所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科外科学講座肝胆膵外科 2神戸大学大学院医学研究科外科学講座心臓血管外科 3神戸大学大学院医学研究科外科学講座食道胃腸外科 4神戸大学大学院医学研究科外科学講座乳腺内分泌外科 5神戸大学大学院医学研究科外科学講座小児外科 6神戸大学大学院医学研究科外科学講座呼吸器外科
ページ範囲:P.1272 - P.1276
文献概要
日本の外科医師数は劣悪な労働環境などから1998年以降減少し,2004年の新医師臨床研修制度がそれに拍車を掛けた.日本外科学会の勤務実態調査を契機に処遇改善の必要性が認識され,外科医の絶対数減少には歯止めがかかったが,増加する医師全体のなかでの割合は減少を続けている(図1)1).このような状況下で外科医療は2024年4月からの働き方改革完全実施を迎えることになるが,医療水準を低下させることなく外科医の勤務時間制限を遵守するためには,①新人外科医師の確保,②医療の効率化,③タスクシフトの強化,など可能な対策に全力で取り組む必要がある.新人外科医の確保が最優先事項であることに異論はないが,長期の減少傾向を食い止める特効薬は存在しない.何よりも医学生に「外科を好きになってもらう」ことがその第一歩と考えている.本稿では特に医学生に対する教育の観点から,神戸大学外科学講座の取り組みを報告する.
参考文献
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