文献詳細
文献概要
同心円状モデルで読み解く 新しい食道外科解剖・10
食道裂孔部—近くて遠い食道裂孔
著者: 藤原尚志1
所属機関: 1東京医科歯科大学 消化管外科学分野
ページ範囲:P.1519 - P.1529
文献購入ページに移動Introduction
実は食道裂孔はいまだ消化器外科医にとって十分な知見が得られていない未踏の地ではないだろうか.開胸・開腹の時代では,どちらからのアプローチでも最も遠い,よく見えない部分であった.そして胸腔鏡・腹腔鏡の時代となった今でも,いくらかは見やすくなったものの,今度は腹臥位と仰臥位というアプローチの体位の違いのため同時に上下から確認することができず,正確な全体像がいまだつかめていないように思う.
また,この部分の解剖理解を難しくしているもう一つの要因は,さまざまな程度の食道裂孔ヘルニアの存在であろう.本稿で述べる私見も,食道裂孔ヘルニアの程度によっては当てはまらないケースが間違いなくあると感じている.
実は食道裂孔はいまだ消化器外科医にとって十分な知見が得られていない未踏の地ではないだろうか.開胸・開腹の時代では,どちらからのアプローチでも最も遠い,よく見えない部分であった.そして胸腔鏡・腹腔鏡の時代となった今でも,いくらかは見やすくなったものの,今度は腹臥位と仰臥位というアプローチの体位の違いのため同時に上下から確認することができず,正確な全体像がいまだつかめていないように思う.
また,この部分の解剖理解を難しくしているもう一つの要因は,さまざまな程度の食道裂孔ヘルニアの存在であろう.本稿で述べる私見も,食道裂孔ヘルニアの程度によっては当てはまらないケースが間違いなくあると感じている.
参考文献
1)Kwok H, Marriz Y, Al-Ali S, et al:Phrenoesophageal ligament re-visited. Clin Anat 12:164-170, 1999
掲載誌情報