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FOCUS
—日常診療+αでできる—成人学習理論に基づいた外科医を伸ばす指導法
著者: 高見秀樹1
所属機関: 1名古屋大学消化器外科学
ページ範囲:P.736 - P.740
文献購入ページに移動「教育」と聞いてどんなイメージを浮かべますでしょうか? 「何が正解かわからない」「自分とは無縁」「やっても評価されない」といったネガティブなイメージをもたれているかもしれませんし,「自分は得意だ」「教育こそが自分の使命だ」というポジティブなイメージをおもちの方もいるかもしれません.いずれにしても『教育は大切だ』ということに異を唱える外科医はいないと思います.実際に,外科医は教育に携わる場面がたくさんあります.手術室・病棟・外来で,後輩外科医・メディカルスタッフ・初期研修医や学生など場所も対象も様々です.そもそもほとんどの外科医は手術を先輩から教わりますし,それを後進に伝えることも業務の1つとなっているのではないでしょうか.
教育には正解はありません.しかし医療におけるEBM(evidence based medicine)と同じように,医学教育学においてもエビデンスに基づいた教育を行うbest evidence medical education(BEME)という考え方が2000年ごろから広まりました1).実際,医学教育に関する論文は年々増加してきており,様々なエビデンスが蓄積されてきています.
筆者は日本外科教育研究会が開催するSurgeons as Educator Courseを2019年に,「現場で働く指導医のための医学教育学プログラム-基礎編-(FCME)」を2020年から1年間受講し,医学教育学について学ぶ機会を得ました.本稿では医学教育学を学んだ外科医の立場から,『外科医が臨床現場でできる,学習者の省察を促すような指導の工夫』について紹介します.
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