文献詳細
FOCUS
文献概要
はじめに
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)とは,狭義では潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)とクローン病(Crohn's disease:CD)を指し,発生要因は不明であるが,患者自身の持つ遺伝的素因に食事の変化や衛生状態の変化,患者の腸内微生物環境の変化などが加わり発症するものと考えられている.患者数は増加の一途をたどっており,現在わが国の患者数はそれぞれおよそ22万人,7万人と推定されている1).非専門医が初診で遭遇したり,その後をフォローしたりする機会が増えていると考えられ,治療のステップアップのタイミング,高次医療機関への紹介のタイミングも重要となる.現在わが国でステロイド抵抗性のUCにいわゆるadvanced therapyとして使用できる薬剤は10を超え,CDに対しても複数の生物学的製剤から薬剤を選択でき,いずれの疾患においても各薬剤のポジショニングが盛んに議論されているところである.
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)とは,狭義では潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)とクローン病(Crohn's disease:CD)を指し,発生要因は不明であるが,患者自身の持つ遺伝的素因に食事の変化や衛生状態の変化,患者の腸内微生物環境の変化などが加わり発症するものと考えられている.患者数は増加の一途をたどっており,現在わが国の患者数はそれぞれおよそ22万人,7万人と推定されている1).非専門医が初診で遭遇したり,その後をフォローしたりする機会が増えていると考えられ,治療のステップアップのタイミング,高次医療機関への紹介のタイミングも重要となる.現在わが国でステロイド抵抗性のUCにいわゆるadvanced therapyとして使用できる薬剤は10を超え,CDに対しても複数の生物学的製剤から薬剤を選択でき,いずれの疾患においても各薬剤のポジショニングが盛んに議論されているところである.
参考文献
1)厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業):難治性炎症性腸疾患障害に関する調査研究 総括研究報告書(令和2年度総括・分担研究報告書) https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/147413
2)Turner D, Ricciuto A, Lewis A, et al:STRIDE-Ⅱ:An Update on the Selecting Therapeutic Targets in Inflammatory Bowel Disease(STRIDE)Initiative of the International Organization for the Study of IBD(IOIBD):Determining Therapeutic Goals for Treat-to-Target strategies in IBD. Gastroenterology 160:1570-1583, 2021
3)厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業):潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)(令和4年度分担研究報告書)http://www.ibdjapan.org/pdf/doc15.pdf
4)Hirai F, Takeda T, Takada Y, et al:Efficacy of enteral nutrition in patients with Crohn's disease on maintenance anti-TNF-alpha antibody therapy:a meta-analysis. J Gastroenterol 55:133-141, 2020
5)Markus FN:Targeting immune cell circuits and trafficking in inflammatory bowel disease. Nat Immunol 20:970-979, 2019
掲載誌情報