臨床外科78巻9号

2023年09月発行

特集 見てわかる！ 下部消化管手術における最適な剝離層 総論

膜に焦点を当てた結腸の解剖

著者： 山口茂樹¹ 近藤宏佳¹ 隈本力¹ 金子由香¹ 腰野蔵人¹ 谷公孝¹ 前田文¹ 番場嘉子¹ 小川真平¹ 板橋道朗¹

所属機関： ¹東京女子医科大学消化器・一般外科

ページ範囲：P.1034 - P.1038

【ポイント】
◆発生学的に270度回転して後腹膜に固定した結腸を，適切な剝離層を選択して剝離授動することで結腸手術は容易になる．
◆基本的に疎性結合織で剝離が容易な部分を選択して授動するが，術式によって切離すべき膜構造のパートを理解することで円滑に手術が進行する．

参考文献

1）山口茂樹，近藤宏佳：腹腔鏡下大腸切除術に必要な解剖学．ビジュアルサージカル　消化器腹腔鏡下手術　下部消化管．秀潤社，2022，pp 2-11

2）佐藤達夫：臓側筋膜の局所解剖．層構成の基本と各部位における分化．日臨外医会誌56：2253- 2272，1995

3）Garcia-Granero A, Pellino G, Frasson M, et al：The fusion fascia of Fredet：an important embryological landmark for complete mesocolic excision and D3-lymphadenectomy in right colon cancer. Surg Endosc 33：3842-3850, 2019