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特集 見てわかる! 下部消化管手術における最適な剝離層 悪性疾患の手術
骨盤内臓全摘術の剝離層の選択—膀胱下腹筋膜を意識したumbilicalアプローチを中心に
著者: 村田悠記1 上原圭1 小倉淳司1 小林龍太朗1 深田浩志1 余語孝乃助1 江畑智希1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍外科学
ページ範囲:P.1093 - P.1098
文献購入ページに移動◆骨盤内臓全摘術は「切除する骨盤内の臓器を1つの塊と見なせば,背側は直腸後腔,側方は膀胱下腹筋膜とその外側の膀胱側腔・閉鎖腔に囲まれているのみ」と考えるとよりシンプルになり,骨盤壁に固定されているのは後側方の骨盤神経叢・内腸骨血管によってのみということになる.
◆手術は,主に①直腸背側の授動,②膀胱下腹筋膜に沿った側方授動(閉鎖腔の内側,側方リンパ節郭清不要時),あるいは閉鎖腔外側の骨盤壁に沿った側方授動(側方リンパ節郭清必要時),③骨盤神経叢の切離および,内腸骨動静脈の臓側枝切離あるいは本幹合併切除,④陰茎背静脈叢(dorsal vein complex:DVC)・尿道の処理,の4パートから構成される.
◆臍動脈索の外側からのアプローチ(umbilicalアプローチ)は,巨大腫瘍や直腸癌術後再発であっても,膀胱側腔を確実に捉え,側方の剝離層を容易に同定することができる.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年9月末まで)。
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