臨床外科78巻9号

2023年09月発行

特集 見てわかる！ 下部消化管手術における最適な剝離層 良性疾患の手術

直腸腫瘍に対する経仙骨的直腸腫瘍切除術における剝離層の選択

著者： 須並英二¹ 若松喬¹ 麻生喜祥¹ 本多五奉¹ 飯岡愛子¹ 片岡功¹ 金翔哲¹ 吉敷智和¹

所属機関： ¹杏林大学消化器・一般外科

ページ範囲：P.1116 - P.1120

【ポイント】
◆内視鏡的切除・経肛門的切除・腹腔鏡下手術などの低侵襲手術の発展に伴い，適応は極めて限定的となっている．
◆後方アプローチとしては，経仙骨的切除術と内外肛門括約筋を背側で切開し内腔を開放する経括約筋的切除術がある．
◆病変の壁在部位や大きさそして切離を行う層に応じて直腸周囲の剝離を行う範囲が決定される．

参考文献

1）Onaitis M, Ludwig K, Perez-Tamayo A, et al：The Kraske procedure：a critical analysis of a surgical approach for mid-rectal lesions. J Surg Oncol 94：194-202, 2006

2）Mason AY：The place of local resection in the treatment of rectal carcinoma. Proc R Soc Med 63：1259-1262, 1970

3）正木忠彦，武藤徹一郎：経仙骨的切除術．手術50：1405-1408，1996

4）斎藤幸夫：直腸後方切除術．杉原健一（編）；大腸・肛門外科の要点と盲点．文光堂，2000，pp 168-170

5）諏訪雄亮：腹腔鏡下経腹経仙骨的切除を施行したtailgut cystの1例．日本内視鏡外科学会雑誌23：63-69，2018