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教育エフォートを見える化する—日本産科婦人科学会の取り組み
著者: 磯部真倫1
所属機関: 1岐阜大学大学院医学系研究科産科婦人科学
ページ範囲:P.1130 - P.1133
文献購入ページに移動はじめに
「教育は業績にならない」これまでわたくしも幾度となく聞いた言葉である.そして,皆さんも何度となく聞いた言葉であり,発した言葉であるかもしれない.医師は臨床・教育・研究を3本柱として日々精進しなければならないとされるが,実際に教育にエフォートの大部分を割く医師はあまり聞いたことがない.しかし,「聞いたことがない」だけであって日々のエフォートの大部分を教育に充てる医師も少数派ではあるが確実にいる.そして,医師であれば大なり小なり日々教育活動を行っているはずである.では,なぜ教育が軽視されるのか? 要するに,教育のエフォートや業績が,評価者に見えてこないだけなのである.日本産科婦人科学会では,その課題を解決する1つの方策として,令和2年から卓越した教育活動を行っている学会員を表彰するために教育奨励賞を創設した.私はその初代の受賞者となった.教育奨励賞の概要,そして受賞に至った私のこれまでの教育実績,そして受賞後のキャリアについて述べたいと思う.
「教育は業績にならない」これまでわたくしも幾度となく聞いた言葉である.そして,皆さんも何度となく聞いた言葉であり,発した言葉であるかもしれない.医師は臨床・教育・研究を3本柱として日々精進しなければならないとされるが,実際に教育にエフォートの大部分を割く医師はあまり聞いたことがない.しかし,「聞いたことがない」だけであって日々のエフォートの大部分を教育に充てる医師も少数派ではあるが確実にいる.そして,医師であれば大なり小なり日々教育活動を行っているはずである.では,なぜ教育が軽視されるのか? 要するに,教育のエフォートや業績が,評価者に見えてこないだけなのである.日本産科婦人科学会では,その課題を解決する1つの方策として,令和2年から卓越した教育活動を行っている学会員を表彰するために教育奨励賞を創設した.私はその初代の受賞者となった.教育奨励賞の概要,そして受賞に至った私のこれまでの教育実績,そして受賞後のキャリアについて述べたいと思う.
参考文献
1)日本産科婦人科学会:学術委員会.https://www.jsog.or.jp/modules/committee/index.php?content_id=173(2023年4月1日アクセス)
2)Isobe M, Kataoka Y, Chikazawa K, et al:Correlation Between the Number of LaparoscopyQualified Gynecologists and the Proportion of Laparoscopic Surgeries for Benign Gynecological Diseases in Japan:An Ecological Study. J Obstet Gynaecol Res 47:329-336, 2021
3)磯部真倫(編著):動画で学ぶ! 婦人科腹腔鏡トレーニング〜手術件数より大事なトレーニング法を知る〜.中外医学社,2021
4)磯部真倫(編著):こだわりのTLH.中外医学社,2021
5)磯部真倫:新潟大学産科婦人科における学生実習改革〜実習改革からコロナ禍における工夫まで〜.日本産科婦人科学会雑誌51:1673-1679,2021
6)京都大学大学院医学研究科医学教育・国際化推進センター:現場で働く指導医のための医学教育学プログラム—基礎編—.http://cme.med.kyoto-u.ac.jp/fcme/FCME_handbook2022_1.pdf(2023年4月1日アクセス)
7)日本外科教育研究会:Surgeons as educators course.http://www.surgicaleducation.jp/surgeons-as-educators.html(2023年4月1日アクセス)
8)磯部真倫,榎本隆之,錦織 宏:ZOOMによる教育事例検討会—オンラインFaculty Development.医学教育51:338-340,2020
9)磯部真倫(編著):医療者のためのweb会議システム活用メソッド.中外医学社,2021
10)磯部真倫:「教育」を専門とした新潟大学での7年間の活動〜腹腔鏡手術教育,卒前教育,教育者の育成の取り組み(Faculty Development)を中心に〜.日本産科婦人科学会雑誌51:1779-1789,2021
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