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文献詳細

雑誌文献

臨床外科79巻13号

2024年12月発行

腹壁ヘルニア修復術道場・6

腹壁瘢痕ヘルニア手術①正中腹壁瘢痕ヘルニア—(ⅱ)4〜10 cm(eTEPを中心に)

著者: 今村清隆12

所属機関: 1四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター外科 2四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター内視鏡外科

ページ範囲:P.1412 - P.1417

文献概要

はじめに
 Enhanced view totally extraperitoneal(eTEP)は技術的な難度が高く,一定の学習曲線を要することで知られ,手術時間も長くなりがちである.しかし,多様なヘルニアに対応できること,感染率が低いこと,大きなメッシュを留置可能なこと,術後疼痛が少ないこと,薄いメッシュが使用できること,コンポジットメッシュやタッカーが必要ないため低コストであること,そして次の腹部手術時にもintraperitoneal onlay mesh(IPOM)ほどメッシュが妨げになりにくいことなど,数多くの利点がある.2023年に報告された欧州ヘルニア学会による正中腹壁瘢痕ヘルニアガイドラインでも,筋層下修復術が強く推奨されている1).これらを考慮したうえで,当科ではeTEPを腹壁瘢痕ヘルニア治療の主軸としている.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2027年12月末まで)。

参考文献

1)Sanders, DL, Pawlak, MM, Simons, MP, et al:Midline incisional hernia guidelines:the European Hernia Society. Br J Surg:110, 1732-1768, 2023
2)今村清隆,高田 実,梅本一史:内視鏡下transversus abdominis muscle release(eTEP-TAR)法を用いて腹壁瘢痕ヘルニア修復を行った1例.日内鏡外会誌26:25-31,2021
3)今村清隆,山吹 匠,高田 実:eTEP-TARの応用 側腹部瘢痕ヘルニアや横切開瘢痕を伴う腹壁ヘルニアに対する修復術.臨外78:433-439,2023
4)今村清隆:腹壁瘢痕ヘルニア修復術に必要な局所解剖:eTEP法,2024年最新版 外科局所解剖全図—ランドマークの出し方と損傷回避法.臨外79:295-302,2024
5)Ramana B, Arora E, Belyansky I:Signs and landmarks in eTEP Rives-Stoppa repair of ventral hernias. Hernia 25:545-550, 2021
6)今村清隆:プライベートトレーニングの進化 自宅で行える実技トレーニング 臨外79:560-564,2024

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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