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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科79巻7号

2024年07月発行

雑誌目次

特集 外科医が知っておくべき 肝胆膵腫瘍に対する薬物療法

ページ範囲:P.719 - P.719

 少し前まではほとんど薬物治療の選択肢がなかった肝胆膵領域であるが,最近数年間に多くの治療薬が登場した.また,それとともに切除前後に化学療法を併用することも増えたため,外科医が知っておくべき薬物治療の知識が急増している.そのレジメンのエビデンスはもちろんだが,各薬物治療の適応も知っておかねばならない.そして何より大切なのは安全性であり,患者・家族にわかりやすい説明を行うことも求められる.近年急速に進歩しつつある支持療法も含め,本特集では,エキスパートの先生方に最新の知識を伝授していただいた.

肝臓

切除不能肝細胞癌に対する薬物療法

著者: 赤星径一 ,   田邉稔

ページ範囲:P.720 - P.725

【ポイント】
◆切除不能肝細胞癌に対する薬物療法は2018年以降大きく進歩し,特に免疫チェックポイント阻害薬の登場がトピックである.
◆薬物療法と局所療法(手術,TACE,RFA)の組み合わせ治療の有用性が期待され,議論が活性化している.
◆腫瘍学的見地からの手術適応判断の議論を円滑化するためにOncological resectability criteriaが提唱された.

肝臓癌に対する術前・術後補助療法

著者: 西尾太宏 ,   楊知明 ,   西野裕人 ,   小木曾聡 ,   穴澤貴行 ,   長井和之 ,   内田洋一朗 ,   伊藤孝司 ,   石井隆道 ,   波多野悦朗

ページ範囲:P.726 - P.735

【ポイント】
◆進行肝細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害薬を含む新規薬物療法の有効性が示され,薬物療法と外科治療を組み合わせた集学的アプローチによって,根治性の向上に期待できる.
◆IMbrave050試験の結果から,再発高リスク症例に対するアテゾリズマブ+ベバシズマブ治療を用いた術後補助療法による無再発生存期間の延長効果が示された.
◆肝細胞癌に対する薬物療法と局所治療を併用した術前・術後補助(neoadjuvant/adjuvant)療法の臨床試験が積極的に行われてきており,curative-intentな肝切除適応の拡大と根治的治療後の予後改善効果について検証が進んでいる.
◆Neoadjuvant/adjuvant療法の対象症例の選定には,腫瘍学的な切除可能性の評価が重要となり,今後,切除可能境界の定義に基づいて外科的治療による根治を目指した集学的治療戦略の有効性および妥当性の検証が求められる.

転移性肝癌に対する周術期化学療法

著者: 風見由祐 ,   河口義邦 ,   長谷川潔

ページ範囲:P.736 - P.743

【ポイント】
◆転移性肝癌のなかで大腸癌肝転移は外科治療の有効性が確立されており,周術期化学療法が一般的に行われている.
◆大腸癌肝転移は腫瘍条件により“切除可能”と“切除不能”に大別され,それぞれで周術期化学療法の担う役割が異なる.
◆切除可能大腸癌肝転移では肝切除を治療の軸にして,術前/術後補助化学療法をどのように組み入れるかが課題となっている.
◆切除不能大腸癌肝転移は化学療法を導入した後,conversion surgeryを行えるかが治療の鍵であり,どの化学療法をどれくらいの期間行うかが重要な問題である.

胆道・膵臓

切除不能・再発胆道癌に対する薬物療法

著者: 手塚瞬 ,   上野誠

ページ範囲:P.744 - P.750

【ポイント】
◆治癒切除不能な胆道癌の一次治療として,ゲムシタビンとシスプラチンとの併用に免疫チェックポイント阻害薬のデュルバルマブおよびペムブロリズマブをそれぞれ上乗せする2つのレジメンが標準治療に加わった.
◆治癒切除不能な胆道癌の二次治療では,遺伝子異常別の治療開発が積極的に行われており,fibroblast growth factor receptor(FGFR)2融合遺伝子陽性の胆道癌に対してペミガチニブおよびフチバチニブがそれぞれ薬事承認されている.

胆道癌に対する術前補助療法

著者: 小林省吾 ,   土岐祐一郎 ,   江口英利

ページ範囲:P.751 - P.756

【ポイント】
◆胆道癌における術前補助療法のエビデンスはなく,行う推奨度も明らかでなく,推奨される薬物療法もない.
◆そのため,現時点での術前補助療法は臨床研究として行うことが望ましい.
◆しかしながら,胆道癌における術前補助療法を行う対象となる「切除可能胆道癌」の定義についても一定した見解はない.

胆道癌に対する術後補助療法

著者: 池田公史

ページ範囲:P.757 - P.762

【ポイント】
◆切除後の補助療法として,日本ではS-1 6か月の服用が推奨される.
◆S-1群の3年生存割合は77.1%であり,経過観察群と比べて約10%良好で〔ハザード比(HR)0.69, 95%信頼区間(CI)0.51-0.94;p=0.0080〕,3年無再発生存割合は62.4%であり,経過観察群と比べて約12%良好であった(HR 0.80, 95% CI 0.61-1.04;p=0.088).
◆S-1の主な有害事象は骨髄抑制,肝機能障害,疲労,食欲不振,皮膚の色素沈着過剰などであった.

切除不能・再発膵癌に対する薬物療法

著者: 佐々木隆

ページ範囲:P.763 - P.767

【ポイント】
◆FOLFIRINOX療法とGEM+nab-PTX併用療法の登場により,膵癌の治療成績は向上した.
◆膵癌の治療選択において,遺伝子検査の果たす役割がますます高まってきている.
◆RAS阻害薬の開発が進んできており,今後膵癌に対する臨床応用が期待されている.

膵癌に対する術前補助療法

著者: 伊東剛 ,   渋谷和人 ,   木村七菜 ,   深澤美奈 ,   楠弘充 ,   山本皓太郎 ,   村主遼 ,   白井祥睦 ,   吉岡伊作 ,   藤井努

ページ範囲:P.768 - P.773

【ポイント】
◆膵癌は外科的切除が可能であったとしても術後早期の再発が多く,化学療法や放射線療法を行う集学的治療が重要である.
◆本邦では,切除可能膵癌に対する術前補助療法としてゲムシタビンおよびS-1併用療法が標準治療と位置づけられている.
◆切除可能境界以上の進行膵癌に対する術前補助療法は化学放射線療法や化学療法が推奨されているが,コンセンサスの得られたレジメンはいまだないのが現状である.

膵癌に対する術後補助化学療法

著者: 加藤吉康 ,   蘆田良 ,   大木克久 ,   山田美保子 ,   大塚新平 ,   上坂克彦 ,   杉浦禎一

ページ範囲:P.774 - P.778

【ポイント】
◆切除可能膵癌であっても手術単独で根治を得ることは困難であるが,術後補助化学療法による生存成績の向上が証明され,標準治療として推奨されている.
◆わが国では現在S-1単独療法とゲムシタビン塩酸塩単独療法が術後補助化学療法として推奨されている.一方,海外ではゲムシタビン塩酸塩+カペシタビン併用療法やmodified FOLFIRINOX療法が推奨されている.さらにゲムシタビン塩酸塩+ナブパクリタキセル併用療法も有用性が示されている.
◆外科医としては,癌を切除するのみならず,術後補助化学療法を円滑に開始できるよう,合併症や回復遅延をきたすことのない手術および周術期管理を意識することが重要である.

膵癌・胆道癌に対する分子標的薬治療の進歩

著者: 志村充広 ,   青木修一 ,   海野倫明

ページ範囲:P.779 - P.784

【ポイント】
◆がんゲノム解析により,膵癌・胆道癌の遺伝子プロファイリングを把握し,新規治療ターゲットを探索できる新時代に突入した.
◆新規分子標的薬の革新が膵癌・胆道癌における二次,三次までの治療戦略を可能にした.
◆全身化学療法,根治的切除,分子標的薬などを適切なタイミングで適切な患者に提供するエビデンスを集積する必要がある.

膵原発神経内分泌腫瘍に対する薬物療法

著者: 青木琢

ページ範囲:P.786 - P.790

【ポイント】
◆膵高分化型神経内分泌腫瘍(NET)に対する薬物療法として,ソマトスタチンアナログ,分子標的薬,細胞傷害性抗癌薬が用いられている.各療法にはエビデンスがあるが,直接比較のデータは乏しく,使い分けをアルゴリズムで示すにはデータが乏しい.
◆非常に有効な放射線内用療法であるPRRTがわが国にも導入され,早期治療のエビデンスも出たことで,今後薬物療法の戦略が一変する可能性がある.
◆薬物療法の進歩に伴い,切除不能進行膵NET治療における外科治療の役割も変化が予想される.

神経内分泌がんに対する薬物療法の現状と治療戦略

著者: 小林規俊

ページ範囲:P.791 - P.797

【ポイント】
◆神経内分泌がん(NEC)は,低分化,高悪性度のがんであり,神経内分泌腫瘍(NET)と異なった治療戦略が求められる.
◆局所進行NECに対する外科的治療の役割はいまだ明確ではなく,化学療法や放射線化学療法が重要な選択肢となる.
◆切除不能,遠隔転移を伴うNECに対する治療は,プラチナ系抗がん剤を基本とした,2剤併用療法である.

副作用対策

支持療法

著者: 佐野町友美 ,   森實千種

ページ範囲:P.798 - P.803

【ポイント】
◆血液毒性:血液毒性は肝胆膵領域のみならず,他の原発臓器の悪性腫瘍でも出現する頻度の高い有害事象であり,対応も臓器を問わず概ね一様であることから,確実なマスターが必要である.
◆非血液毒性:非血液毒性は使用薬剤とその作用機序に応じて内容が多岐にわたり,対応も複雑である.細胞傷害性薬剤を使用する際の胆道・膵臓癌の嘔気・嘔吐,膵臓癌の末梢神経障害,肝臓・胆道癌の免疫関連有害事象,肝臓癌の血管新生阻害薬による手足症候群,高血圧,蛋白尿など各領域のがんの薬剤による特徴的な有害事象を理解し,それに対する適切な支持療法を行うことが必要である.
◆支持療法:本原稿では,肝胆膵領域の薬物療法に対する支持療法について網羅的に述べたが,実際の臨床ではより頻度が高く使用される薬物療法の頻度の高い有害事象に対する支持療法から覚えて実践していくことを薦める.

漢方薬による癌の支持療法

著者: 平﨑能郎

ページ範囲:P.804 - P.810

【ポイント】
◆癌治療において漢方医学の補法が有効である.
◆標準治療に伴う副作用対策として候補となる漢方薬がある.
◆漢方薬にはエビデンスのある抗癌成分が含まれている.

腹壁ヘルニア修復術道場・2

腹壁瘢痕ヘルニア手術について知るべき一般的事項—緊急度と術前最適化,複雑ヘルニアの定義,記録すべき最低限の情報

著者: 嶋田元 ,   松原猛人

ページ範囲:P.812 - P.817

はじめに
 腹壁瘢痕ヘルニアは腹部手術の合併症の一つであり,腹部手術切開創をもつ患者のおよそ10〜15%に発生する1).正中切開創で最も発生頻度が高いが,横切開,傍正中切開,ポートサイトなどあらゆる腹部切開創に発生する.
 腹壁の機能は体幹動作だけでなく,呼吸,排尿,排便,咳嗽に大きくかかわっている.よって腹壁瘢痕ヘルニアの主症状は,腹部手術創の膨隆や痛み,腹壁の機能障害に起因する症状である.時に急性嵌頓や絞扼,皮膚壊死などにより緊急手術が必要になる場合もある.切開創に発生するため,どの部位にでも発生しヘルニア門のサイズや症状も千差万別である.このため単一術式のみですべての腹壁瘢痕ヘルニアに対応することは困難である.
 腹壁瘢痕ヘルニアの治療目的は,症状の改善による生活の質の向上と緊急手術の回避であり,診療ガイドライン2)ではヘルニア門の縫合閉鎖とメッシュによる補強を強く推奨している.

FOCUS

遠隔手術の現在

著者: 沖英次 ,   太田光彦 ,   諸橋一 ,   海老原裕磨 ,   絹笠祐介 ,   袴田健一 ,   平野聡 ,   森正樹 ,   池田徳彦

ページ範囲:P.818 - P.821

はじめに
 遠隔手術の検討は20年以上前から行われている.2001年にフランス(ストラスブール)-米国(ニューヨーク)との間で手術支援ロボット(ゼウス)を使った胆囊摘出術が行われ,世界中を驚かせた1).しかし,当時ロボット支援手術は一般医療としては普及しておらず,本研究に使われたような光ファイバーによる通信網も高額で,一般の医療で使用されることはなかった.このため,その後しばらく遠隔手術の本格的な臨床検討は行われてこなかった.
 しかし近年,世界中でロボット支援機器による手術が一般的なものとなり,日本国内でも保険収載後に手術数は劇的に増加した.すでにロボット支援下手術は日常の診療である.また,ブロードバンド通信網も,インターネットの普及により急速に発達し,5G通信も一般に使用可能となった.地方の医師不足や高齢化社会により,オンライン診療の必要性も急速に増している.
 医療は年々高度化,専門化している.ロボット支援手術をはじめとして外科領域も例外ではなく,技術のupdateが常に必要である.遠隔手術が適切に活用されれば,将来の地域医療の格差が少しでも解消できるかもしれない.

臨床報告

経過観察中に嵌頓した成人右側Bochdalek孔ヘルニアの1例

著者: 中森万緒 ,   宮﨑麻衣 ,   鳥井恒作 ,   澤木康一 ,   田中友理 ,   石榑清

ページ範囲:P.823 - P.826

要旨
症例は52歳女性.持続する腹痛,腹部膨満感,嘔気を主訴に受診した.来院時CTで横行結腸が右側の胸腔内へ脱出していた.腸管拡張は認めず腹部症状も消失したため,経過観察となったが,1週間後に腹部症状が再燃したためCTを再検したところ,胸腔内へ脱出した横行結腸を閉塞機転として口側が著明に拡張していた.横隔膜ヘルニア嵌頓による腸閉塞の診断で,イレウス管にて減圧ののち手術方針となった.ヘルニア門はBochdalek孔で横行結腸がRichter型に嵌頓していた.腸管損傷や虚血所見はなく,ヘルニア門を単純縫合閉鎖し終了した.術後4年,再発なく経過している.今回,比較的まれな成人の右側Bochdalek孔ヘルニアが嵌頓した症例を経験したため報告する.

病院めぐり

湘南東部総合病院

著者: 櫻井嘉彦

ページ範囲:P.827 - P.827

 湘南東部総合病院は,2000年に大屋敷芙志枝理事長によって設立された病院で,神奈川県茅ヶ崎市・寒川町の急性期医療を担っています.
 当院が立地する茅ヶ崎市は湘南エリアの中心に位置し,南は相模湾に面し,北には里山を有する自然と商業地域がバランス良く配置された比較的コンパクトな街です.サーフィンやヨガを楽しむ方も多く,伝統的な祭事もあるため,市の雰囲気は近隣の藤沢市や鎌倉市などと少し異なり,独特の文化が感じられます.当院へのアクセスは,東海道線茅ヶ崎駅から車で約10分,圏央道(寒川南インター,茅ヶ崎中央インター)開通によりさらに便利になりました.

書評

—濱 敏弘(監修) 青山 剛,池末裕明,内田まやこ,佐藤淳也,高田慎也,土屋雅美(編)—がん化学療法レジメン管理マニュアル 第4版

著者: 佐藤温

ページ範囲:P.785 - P.785

 第3版発刊より3年半を経て,『がん化学療法レジメン管理マニュアル』が第4版として発刊された.「がん化学療法で役立つ情報を凝縮したマニュアル(相棒)」が売り文句の本書は,がんエキスパートの薬剤師らが,がん化学療法に携わる薬剤師のために作成したマニュアルなのだが,この書評を書いているのは,腫瘍内科医師であるということにまず気が付いてほしい.薬剤師はもちろんのこと,がん化学療法に携わる全ての医療者にとって,実に便利かつ完成度の高いマニュアル(相棒)である.掲載されているレジメンは111本と増え,それぞれに支持療法を含む投与スケジュール,投与の注意点,減量・中止基準,副作用の発現率,発現時期,その評価観察と対策などのポイント,さらに薬剤調製,監査の他,ケアに関することまで,がん化学療法に必要なほぼ全ての情報が簡潔にわかりやすくまとめられている.
 お勧めの使い方は,仕事場の目につく所に,同じ医学書院から発刊されている『がん診療レジデントマニュアル 第9版』と一緒に並べておくことである.『レジデントマニュアル』で疾患の概要とエビデンスに基づいた治療方針を確認する.そして,化学療法が選択された場合は,引き続き本書で実際の投与スケジュール,副作用管理の方法などを確認できる.これは非常に便利である.両書籍ともに同じサイズで不必要に場所をとらず,類似のデザイン同じ紙質とビジュアル的にも映える.これ以上相性の良い本もないだろうと思う.もちろん,当科の病棟の電子カルテ端末の上および外来診察室にも2冊ずつ並んで置かれている.外来では各診察室に置くようにしてはいるものの,時々定位置から持ち去るやからがいるので,見栄えは悪いけれど,油性マジックで診察室の名称を表紙に書いている.これもお勧めである.本来であれば,白衣のポケットに入れていつでもどこでも使えるようにすべきなのだろうが,惜しむらくは,ポケット版にしては常にポケットに入れて持ち運ぶには少し重いし,厚みがかさばる.だからこそ,私的には,仕事場の複数箇所に置いておくことでうまく活用できている.

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目次

ページ範囲:P.716 - P.717

原稿募集 「臨床外科」交見室

ページ範囲:P.725 - P.725

バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.832 - P.832

次号予告

ページ範囲:P.833 - P.833

あとがき

著者: 遠藤格

ページ範囲:P.834 - P.834

 5月13日から南アフリカに出張してきました.第16回世界肝胆膵会議が5月15日〜18日までケープタウンで開催されたのです.シンガポール経由で片道22時間でした.時差が7時間ということもあり,夜中に目が覚めるとおもむろに溜まったメールを3時間くらいかけて処理し,シャワーを浴びて学会場に行くという毎日でした.
 この学会は2年に一度開催される肝胆膵外科領域の世界大会であり,毎回著名な研究者が集合します.全体で1,700題ほどの演題のうち,日本からは78演題が発表され,多くの日本人外科医が発表してくれました.近年のトピックスとして3つほど社会的な取り組みが見られたのが興味深かったです.①Early Carrier Groupといって45歳以下の若手をどのように育成すべきか,メンターシップはどうあるべきか,を話し合うセッション.②DEI(Diversity Equity Inclusion)として女性外科医の待遇改善などを話し合うセッション.欧米では女性外科医の待遇改善は10年以上前から進んでいたと思っていたのですが,まだまだ男性とはイコールではないということがよく理解できました.特に現理事長の講演では,いままでの学会理事長がほとんど男性だったことが示され,5年以内(!)に女性理事長を生み出さなければならない,と表明されたことには大変感銘を受けました.③アライドヘルスケア,すなわち手術室ナース,ナースプラクティショナーなどの協力者を育成する取り組み.これらは本邦でも既に始まっていますが,まだまだ(本気ではなく)遅れていると感じました.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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