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臨床報告
潰瘍性大腸炎経過観察中にデスモイド腫瘍を併発した1例
著者: 女屋悠1 中山祐次郎1 伊吹省1 荒井勝彦1 茂垣雅俊1 櫻井嘉彦1
所属機関: 1湘南東部総合病院外科
ページ範囲:P.1061 - P.1064
文献購入ページに移動症例は60歳台男性.左腎細胞癌術後の経過観察の検査で異常を指摘され,精査目的に外科紹介となった.既往歴に潰瘍性大腸炎があり,メサラジン投与で治療中であった.CTでは横行結腸に接する48 mm大の腫瘤を認めた.PET-CT検査でFDGの集積を認め,非上皮性腫瘍を疑う所見であった.下部消化管内視鏡検査では横行結腸に壁外からの圧排像,および全結腸型の潰瘍性大腸炎,寛解期の所見を認めた.術前診断は消化管間質腫瘍(GIST)疑いで,治療・確定診断目的に手術を施行した.腫瘍のみの摘出は困難であり,炎症による吻合部の安全を考慮し腹腔鏡下結腸亜全摘術を行った.病理診断で2か所のデスモイド腫瘍が疑われる所見を認めた.経過は良好で術後20か月現在再発を認めていない.
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