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文献詳細

雑誌文献

臨床外科8巻1号

1953年01月発行

綜説

補液としてのGlyco-Alginについて(第1報)—血圧上昇に関する研究

著者: 高山坦三1 菅原古人1 渡辺正之1 菅原正彥1 早坂彥1 池田敏夫1 武山勝也1 山田史期

所属機関: 1札幌醫大外科

ページ範囲:P.16 - P.21

文献概要

 昭和19年12月に九大友田教授によつて発表されたいわゆる代用血漿としてのアルギン酸ソーダについてはその後同教室をはじめ各方面からの研究によつて,その臨床應用上の優秀性が証明せられ,現在ではすでに試瞼應用ないし研究應用の域を晩して,生理食塩水あるいはRinger液の基本的欠陷を補う補液剤としての地歩を確保した.すなわち0.3%アルギン酸ソーダ生理食塩水溶液は,もちろん免疫学的に見てまつたく抗元性はなく,血管内注射によつてもなんら体温上昇作用を有せず,赤血球はその骨髄機能亢進作用によるかむしろ増加の傾向を示し,出血時間にはなんら惡影響がなく,血液凝固時間はかえつて若干短縮するのみならず,赤血球沈降速度に対しての軽度の促進作用も根本的障碍によるものではなく,單なる物理的現象にすぎず,また血中カルシウムと不溶性塩をつくるおそれはまつたくなく,肝機能に対してもなんらの毒性作用をも示さず,綱内系機能に対してはかえつてこれを適度に刺戟して抗体産生能を高め,一方,血清粘度にはなんらの認むべき変動を及ぼさぬ等その他の諸性状が確証せられたのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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