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文献詳細

雑誌文献

臨床外科8巻1号

1953年01月発行

文献概要

綜説

労働者に見られる腰痛症について

著者: 高橋喜美雄1

所属機関: 1三井鑛山芦別鑛業所頼城病院外科

ページ範囲:P.22 - P.23

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 炭鉱に於てはその特異な作業環境のために,腰部の不快感,圧重感,或いは一寸した体動時に於ける鋭い疼痛を訴える者は相当に多く,亦種々の治療を施すも長年月にわたつて自覚症状の仲々軽決しない者が多い,亦,これらの事は,労働者災害補償の問題とからんで,その治療及び治療成績の判定には愼重でなければならない.
 私達の取扱つている患者の多くは,腰痛を主訴とはするが,レ線像上に於ては骨に特別の所見,或いはミエログラムに於て腰痛を起すと思われる所見のない所謂腰部筋肉の疼痛を主訴とするものが多いのである.これらの患者については,その原因亦は誘因として業務上の災害が大小に拘らず存在する時には,補償法から得られる利益のために診断が困難であると共に,疼痛に就いては詐病とノイローゼが介入して診療は甚しく複雜となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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